7月27日~28日にかけて、LGBT自治体議員連盟の研修会に参加しました。
LGBT議連は、性的マイノリティが自分らしく暮らせる社会をつくるため、当事者の議員が世話人となって全国の自治体議員に呼びかけ、今年6月に発足したものです。初の研修会、豊島区役所で行われたのですが、北海道から九州まで全国の自治体議員、101人が集まり大変な熱気でした。

初日は自己紹介の後、明治大学教授の鈴木賢氏、日本大学の准教授の鈴木秀洋氏、渋谷区長の長谷部健氏の講演。特に印象的だったのはご自身も当事者として札幌市でのパートナーシップ制度を実現するために尽力された鈴木賢氏の講演でした。

札幌市のパートナーシップ制度、渋谷、世田谷、伊賀市、宝塚市、那覇市に続いて全国で6番目になります。札幌のパートナーシップ制には大きな特徴があり、いわゆる行政からのトップダウンではなく、市民が中心となって実現したということです。当事者や支援者の方が住民票とともに要望書を提出した事が大きな意味を持ったとのことでした。

そもそも、パートナーシップ制、基本的人権を守るという意味では当然のことですが、特に導入が求められるのは、成立による波及効果が非常に大きいからとのことです。例えば、LGBTの人権については先進国の台湾では、82%の自治体でパートナーシップ制が認められた段階で法律が変わった、また、国内でも制度導入によって、地方自治体における職員の福利厚生の拡大や民間企業でも電話代での家族割の適応、保険の範囲の拡大など、さまざま動きがあったとのことです。

残念ながら、多くの行政は、“住民の理解が進んでいない”ことを理由に、パートナーシップをはじめとしたLGBT施策に消極的です。

しかし、住民の理解が進んでいないことはやらない理由にはならないと思います。鈴木さんの「政治や行政こそが率先して差別やマイノリティの生きづらさの解消に取り組むべきである。また、差別があることをしりながらそれを放置するのは、差別に加担するのと同じである。むしろ理解が進んでいないことを制度化加速の根拠とすべきである。」という言葉が印象的でした。

現在も多くの自治体でパートナーシップ制度の導入を検討しており、東京都では港区や北区で当事者による働きかけが進んでいるとのこと、練馬区でもぜひ実現したいと改めて思いました。