区政に関わる様々な課題について、紅茶やクッキーを楽しみながら地域の皆さんとお話する「いわせてカフェ」、今回はこれまで力を入れてきたテーマの一つ「性的マイノリティ」を取り上げました。今回のカフェでは特に、友人の当事者の方々からお話を伺えるということで、私も楽しみにしていました。

まず私からLGBTとは何か?ということで、日本における状況を簡単に説明しました。最近、10年振りに改訂された広辞苑でLGBTが加わったものの、なんとその意味にTを示す性自認のことは触れられていなかったことや、昨年ゲイを笑いものにしたテレビのお笑い番組が話題になったことなどについて触れながら、まだまだ社会の中でLGBTへの認識が不足しているだけでなく、地域でも学校での取り組みなどが遅れていることについて指摘をしました。

その後の二人のお話、印象的でした。一人はトランスジェンダーと自認していて、特に学生の時、セーラー服を着ることがとても辛かったという事、今でも男性と女性のどちらのトイレを使うか、いつも悩んでいるとのことでした。もう一人、バイセクシュアルの方のお話では、例えば知り合いに対して、一人の友人として「好き」といっただけでも、違う意味に捉えられてしまうといった悩みなどを共有いただくとともに、性というのは二つに分かれるものではなく、グラデーションのように人の数だけ存在するものなのだから、それを受け入れられる社会になって欲しいという思いを吐露されました。

フリーディスカッションでも、小学生のお子さんを持つ当事者の方や、ご自身も当事者である保育園の先生などからお話を伺いました。小学生のお子さんを持つ方は、自身の性的指向に気づいたのが最近で、そのことをお子さんに正直に話したとのこと。どんな反応をされるか心配していたら、子どもはむしろ素直に受け入れてくれたとのことでした。だからこそ、抵抗のない子どものころからしっかりと教えてあげることはとても重要だとのことでした。

カフェで特に印象的だったのが参加者同士の対話でした。LGBTについてほとんど知識を持っていなかった方やご年配の方々も参加されていた中で、結婚観や子どもを持ちたいかといった、「素朴(しかしともするとセンシティブ)」な質問もされました。それに対して、当事者の方がとてもわかりやすい例をつかって一つずつ辛抱強く、しかし率直に説明してくださり、最後は何人もの参加者が認識不足だったことがわかった、目からウロコだったとおっしゃっていました。こんなプロセスがカフェを通じて行えたのがとても嬉しかったです。私も以前はそうでしたが、全体的にリベラルな人でも必ずしもきちんと理解しているとは限らないなかで、こうした取組をもっともっと広げていきたいと思います。