昨年に続いて、夏の平和企画として「大泉で『戦争』を考える」を行いました。今年は戦争体験者のお話や、赤紙や教育勅語などの戦時中の資料の展示に加えて、大泉で反ベトナム戦争等の市民運動を行ってきた和田春樹さんの特別講演を行いました。

今回の企画、昨年より規模を拡大するために、スタッフやボランティアの方々と数か月をかけて準備をしていました。しかし時期はちょうどお盆の真っ最中…。会場に誰も来なかったらどうしよう…とドキドキしていたのですが始まってみると参加者がどんどん増えて席が足りなくなるほど。

戦争体験者のお話、印象的でした。終戦から時間が経つ中で、体験した方から直接お話を聞ける機会がどんどん限られていきます。去年お話をお願いした3名の方についても、全員が体調を崩されてしまいました。そんな中、今年は新たに沖縄県の久米島出身の方、長崎で終戦を迎えた兵士の方、学校で風船爆弾を作らされた方、からお話を伺ったのですが、特に八重島の方のお話、衝撃的でした。久米島では戦争が終わったにも関わらず、米軍が島に来るということで、軍が疑心暗鬼になりスパイと見做して住民や家族を虐殺したとのこと、その中には5歳の子どもや赤ちゃんも含まれていたとのことでした。

また、和田春樹さんのお話では大泉学園にはもともと陸軍の予科士官学校があり、終戦時の校長がインパール作戦の責任者だった牟田口中将だったということ、その後、米軍基地となり、そこから朝鮮戦争へと兵士が送り出され、ベトナム戦争では傷病兵を受け入れていたといった、この地域と戦争との関わりなどを伺いました。

会のあと、ずっと最前列で熱心に聞いていた9歳の女の子から感想文をいただきました。「なぜせんそうがあるのでしょうか?せんそうはいつあっても人をきずつけて、人をころすものであって、みんながなくなってほしいとねがっているものです。せんそうというものがなくなれば平和ということばが多くなると思います。」「子どもをころすとかおもいうかばない、「大人」ってなんなの?」といった素直な問いかけをいただき、絶対に戦争を繰り返してはならないと改めて感じました。ぜひ来年もこうした企画を続けたいと思います。