明日まで医療・高齢者等特別委員会の行政視察で愛知県を訪問します。
初日は大府市にて、認知症の予防と対策について視察しました。大府市は愛知県西部、知多半島の北端に位置していて人口は約90,000人の地方都市です。

この市が大きく取り上げられたのは、2007年に認知症だった91歳の男性が鉄道事故で亡くなり、その家族がJR東海に損害賠償を求められた時のことでした。最高裁判決でJRの請求は棄却されましたが、この事故を経緯に徘徊や認知症への家族の責任が大きく議論されました。大府市は、認知症の人が支払う保険料を公費負担する制度を導入しています。また、「徘徊」という言葉自体を行政文書では使わないことにしています。

大府市の取組として、「認知症不安ゼロのまち」を掲げ、市内にある国立長寿医療研究センターと連携して認知症予防に力を入れています。その一つが、「脳とからだの健康チェック」として、市内の65歳以上の方を対象に認知機能検査、体力測定、口腔機能検査、血液検査を行いました。そのうえで、コグニサイズと呼ばれる脳と身体機能を同時に活性させる運動を開発し市内で展開をしています。また、ハイリスク者への訪問、食べる機能検診、地域健康長寿塾、栄養パトロールなど様々な事業を展開しています。

大府市の取組は先進的で参考になるものでした。練馬区においても65歳以上の方が50,000人を超える中で、認知症への不安をなくす取組については、コグニサイズや脳とからだの健康チェックなど導入を検討すべきだと思いました。