先日の企画総務委員会、練馬区の今後5年間の人権問題への取組を示す第5次男女共同参画計画の素案について議論がされました。現在パブリックコメントが募集されています。男女共同参画計画はウェブサイトから閲覧可能です。内容は30ページ前後、今後の練馬区の方向性が示されていますのでぜひご確認を!

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/dai5jidanjosoan.html

【第5次男女共同参画計画ってなに?】

男女共同参画計画は、性別や国籍、年齢など様々な違いを認めあえる社会をつくることを目的に各自治体が作成しています。計画は5年間、今回が5回目になります。内容には性的マイノリティのことやヘイトスピーチの規制、学校での校則や制服、性教育など、人権にかかわるすべての分野が含まれます。練馬区の様々な政策の基本となるとても重要な計画です。

【パブリックコメント(パブコメ)ってなに?】

地方自治体では複数年の行政計画を立ててそれに従って活動を行います。計画を作るときには素案の段階で必ず「パブリックコメント」といって住民の方から意見を募集する決まりになっています。つまり今がチャンス!ぜひ皆さんの声を区へ届けて、方向を一緒に考えましょう。

【この計画の何が問題?】

私が委員会で主張したのは以下の4点です。

1) 性的マイノリティについて

全国で広がっている同性であっても結婚に準ずる関係を認めるパートナーシップ制度について全く言及がありません。この間、導入へ向けて、たくさんの当事者や支援者の方から区へ陳情が出され、私も議会で何度も訴えてきました。5年間の中で検討すらしないというのは、区として性的マイノリティの方が抱えている問題に向き合おうとする姿勢が不足しています。また、学校での対応についても一切記載がありません。

2) ヘイトスピーチについて

今回初めて計画の中で「ヘイトスピーチ」という言葉は掲載されましたが、内容としては講座やパネル展の実施などこれまで行ってきたものばかり。川崎市のように差別禁止条例を作って差別をなくそうという意思が全く見られません。

3) 学校での対応について

中学校での制服の問題、特に女子はスカートしか選べないということについて差別であるとして世田谷区や江戸川区、中野区などでは生徒が選択できるようにしたのですが、練馬区では全く取り組む姿勢が見られません。また、議会でも議論になった小中学校での男女混合名簿の推進についても、いまだに使っている中学校は練馬区ではゼロ。区としての取り組む姿勢は見られません。さらに世田谷区では中学生の下着の色などまで決めたいわゆる「ブラック校則」を区として禁止する方針を示しましたが、練馬区で今後5年間でも取り組む予定はありません。本当にそれでいいのでしょうか?

4) 家庭における男女平等の推進

家庭での男女平等の推進を目標にしていますが、内容は家事や育児のノウハウをまなぶことやキッチンワークを学ぶことばかり。家庭での男女平等が単に家事を手伝うかだけの問題にすり替わってしまっています。男性の意識改革への取組などを区として取り組むべきです。

先日のニュース、フィンランドでは34歳の女性が史上最年少で首相に選ばれたとのこと。彼女は同性カップルに育てられたとのことでした。本当に素晴らしいことです。一方で練馬区ではパートナーシップ制度すら、この先5年も検討しないといっています。皆さんの声が練馬区の未来を決めます!地域を変えるために、社会を変えるためにぜひ声を届けてください!