オランダでの滞在、一番の目的は妻の法学博士号取得の最終試験を応援すること。彼女が高校生の時に亡くなった父親の夢でもありました。結婚や子育てで本人の夢を絶対にあきらめて欲しくないと思っていました。かれこれ7年前くらいから細々と研究を始め、ここ数年は残業の多い仕事も両立しながら、毎朝4時台に起きて勉強を続ける日々。私の仕事とともに彼女の研究が進むように、家事・子育てもシフトを組んで、家族一丸となって頑張ってきました。口頭試問は私たちも傍聴できるのですが、一番緊張していたのは息子。言葉の意味はほとんど分からないながらも一番前に座って1時間半ほど、ジーっと質疑を聞いていました。そして途中途中で私の耳元で「ママ大丈夫?もうハカセ?」と心配そうに聞いてきます。合格が決まったときには大喜びしていました。テーマは「父母がともに知れない子の国籍」。無国籍の防止を目的に、193か国の国籍法と一部運用の比較もして、画期的な論文と評価されました。心から誇りに思います。