本日の委員会では「小学校学級編成の標準の引き下げ」ということで35人学級についての報告がありました。国の方針に沿って、今年は小1、来年は小2というように5年をかけて全学年で35人学級を実現。法律ではこれまで40人までと定められ、40年振りの大改正。この動き自体は評価できます。しかし、そもそも35人で少人数と言えるのでしょうか?委員会で区としての更なる推進とともに、教員の負担軽減を求めました。

1.日本の学校、クラスの人数はOECD34か国で下から2番目!
OECDが出したEducation at glance 2020によると、2018年度におけるOECD諸国の一クラスあたりの学級規模は小学校で平均21名、日本は27名でチリに次いで下から2番目です。

https://teachforjapan.org/entry/column/2021/02/12/class-size-reduction/#%E5%AD%A6%E7%B4%9A%E7%B7%A8%E5%88%B6%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2

2.そもそも36人以上のクラスは全体のわずか8%。
全国の状況を見ても、1昨年度の資料によると小学校で36人以上の学級があるのは、全体のわずか8%。練馬区の状況も現在確認中ですが、平均すると概ね30人程度とのことです。ほとんどの学校では法律が無くても達成しています。

3.少人数学級実現への課題 教員をどうするか?
少人数学級を進めるための最大の課題は教員の確保です。特に教員の成手不足は深刻で、昨年度の教員採用の倍率は東京都で1.9倍まで落ちています。定年退職の教員も増えていて、今年の4月の段階で練馬区にはなんと156名もの新規採用教員が配置されたとのこと。区内の教員全体の1割近くがわずか1年で入れ替わったことに。退職教員が増加する一方で希望する若者は不足。いまでも先生が足りておらず、教頭先生が学級担任の代わりを務めていたり、算数の少人数指導のための先生を引き上げて学級担任に置いたりしている学校も。教員不足の背景はあまりにも激務であることがあげられます。過労死ラインを超えて働く教員が練馬区でも半数以上。こうした中で教員への支援とともに研修の強化も不可欠です。

4.なぜ中学校は対象外?
そもそも中学校が35人学級の対象外になっていることも問題があります。中学のほうがより専門的に学ぶのであれば、小学校の35人学級を優先する理由はどこにもありません。

★区の回答
区としても、今後の少人数学級実現にむけて都の教育委員会と協議をしていくとのこと。

都との協力だけでなく、区として教員の働き方改革に努めると共に、独自に少人数を進めることを含め今後も対応を訴えていきます。