本日(7月27日)の総合災害対策等特別委員会で初めて、美術館や図書館の建て替えの概算額が示されました。工事や解体、外溝、緑化等で76億円、工事管理費や備品購入で5億、合計で81億円にも達するとのこと。建築には国や都の補助はなく全て練馬区の予算。財源も非常に苦しい中なぜこれほど多額の予算をかけるのか、全く説明が尽くされていません。81億円の算出根拠を求めた所、事業者を募集する前の段階では示せないとのこと。しかし、多額の税金を使う一方で、主権者である区民にその根拠すら示せないというのは誠実とはいえません。

81億円もの予算があれば、すべての小中学校の体育館に今すぐ冷房をつけることも可能ですし、給食費の軽減やコロナによる生活困窮家庭の更なる支援、またコロナで限界を迎えている保健所体制の強化なども十分に可能なはずです。

そもそも、美術館や図書館の建て替えについては、パブリックコメント(住民意見反映制度)でもほとんどが反対の意見で占められており、区長選の大きな争点にもなったばかりです。にもかかわらず、2027年度中の開設に向けて、今年中に基本設計の候補者を決定するというのはあまりに住民の意思や思いを軽んじているものだと思います。2次審査を公表するとのことですが目的は反対も含めて多数の意見があるなかで「審査の過程をご覧いただく」こと。しかし必要なのは区民にただ見せるのではなく、区民が参加できる仕組みを作ることです。

さらに一次審査においては、もともと選考委員会は区民も含めた10名で構成されていますが、専門家5名だけで5社程度に絞り込みを行うとのこと。そこにも区民の声は反映されません。

今回の美術館、図書館の建て替えにおいては予算の面、そして住民の意見を聴こうとしない姿勢など、あまりにも問題が多いものです。計画を一度白紙に戻し、住民の意見に向き合うことを引き続き求めていきます。