練馬区が本年、ヤングケアラーについての実態調査を実施、10月に報告書が提出されました。ヤングケアラーとは本来、大人が担うべき家族の看護・介護や家事などを子どもが日常的に行っていること。調査では区内の全ての小学校6年生と中学校2年生へのアンケートや学校への聞き取りを行いました。内容はこちらをご確認ください。https://www.city.nerima.tokyo.jp/kosodatekyoiku/kyoiku/gakko/kyoikucenter/oshirase/youngcarertyousa.html

「家族の中に普段の生活で手助けやお世話が必要な人がいる」としたうえで、自身が「世話をしている」と答えたのは小学生では全体の7.8%、中学生でも6.6%に達しています。(国全体では小学生で6.5%、中学生で5.7%)。そのうち長い時間、自分だけで世話をしている比率も小学校で1.6%、中学校でも1.5%です。

子どもが世話をする相手で一番多いのは「おかあさん」「弟、妹」、内容では家事のお手伝い、話し相手、見守りなどが中心です。世話をすることの影響として「宿題や忘れ物が多くなった」(中学生の2割)、「友達と遊ぶ時間が持てない」(1割)などが上がっています。

家族の世話について感じることとして、「当たり前だと感じている」が最も多い一方で、「つらい気持ちになる」が長時間ケアをしている中学生の2割、「体がつらい」が小中学生の1割に達しています。特に自由記述の中では、小学校6年生の回答として、「たまにはごほうびが欲しい」「家族の時間をつくりたい」「親にめいわくをさせないで楽をさせる」、「弟が病気で、言っている事はわかっていてすごくかわいい子だから、弟じゃなくて私が病気になれば、弟は幸せだったと思います!来世は幸せでいて欲しいです!」。中学2年生の回答では「障害者のことを知ってください。確実に周りにいますから。「大変だね。」という言葉だけで済まさないでください。心配してあげてください。」など。読んでいて涙が止まりませんでした。

一番胸に響いたのが小学6年生の「大人がなんとかしたらいいと思う」という訴え。言葉もありませんでした。調査の中でも、子どもの世話の状況や家庭環境に大人が早く気付くことのできる体制の重要性が指摘されています。学校でのサポート、情報の一元化、子ども達への情報提供、そして見つかった子ども達への早急な支援など、区としてできること全てを行うよう訴えます。