練馬区議会第4回定例会、補正予算として、急激な円安を背景した物価上昇が拡大・長期化するなかで「真に生活に困窮する区民」への更なる支援として、低所得の子育て家庭に対して、区独自の給付金を子ども一人あたり一律「10万円」を支給するとのこと。
対象となるのは、児童扶養手当や児童手当の受給世帯、非課税世帯、公的年金等を受給しているため児童扶養手当を受給していない世帯、そして家計が急変した世帯で区の想定では、8050世帯、12300人程度とのことです。財源としては、国からの物価対策のための地方創生臨時交付金の7.8億円と区の独自財源の約4億円、合計で12億円となっています。私たちは賛成はしましたが、あまりにも問題が多いことを指摘しました。

【問題1】真に必要な人たちって誰?

練馬区は「バラマキにならないために、真に生活に困窮する区民」として低所得の子育て世帯を対象としたとしています。しかし、非正規・派遣・フリーランス等で結婚していない方、子どもがいない方は最初から除外されています。また、子育て世帯であっても、児童手当をギリギリ受けられていない世帯はどれほど苦しくても対象になりません。練馬区は「全ての人を助けるわけにはいかない」としていますが、あまりに支援から漏れてしまう方が多すぎます。

【問題2】10万円は収入と看做されてしまうので、その後の手当などに影響が!

これまでとは異なり、今回の10万円の給付金は収入として認定されてしまうため、例えば生活保護を受給されている方は、翌月の支給額が減らされてしまうことに。国は今年9月の通知の中で、「自治体の給付金では8千円までは収入認定しない」としており、例えば子ども3名がいると30万円が支給されることになりますが、結局受け取れるのは8千円のみ。また、10万円を受けることで収入が上がり、来年度の児童扶養手当などが受けられなくなってしまう恐れも。これまで、国の給付金においては、収入認定をしないとされてきましたが、区独自の給付金はなぜか収入として認定されてしまう、あまりにも酷いものです。国に対して改善を求めるよう訴えた所、区は生活保護で十分だから、給付金が収入として認定されるのは当然である、とのこと。しかし、生活保護の支給額は変わらず、物価は高くなっているので、生活保護を受給されている方も当然厳しいもの。真に困窮している方を救うとしながら、生活保護や児童扶養手当受給世帯も結局恩恵を受けられないというのはあまりに問題だと思います。

【結論】区はもっと丁寧な対応を!

今回の給付について、区はすべての人を助けることはできない、国が責任をもって行うべき、としていますが、あまりにも対象から外れてしまう方が多すぎるということ、そして貰えるはずの方であっても、実際には8千円しかもらえない、または来年度の手当が減らされるというのは制度として欠陥が大きいと思います。議案自体には賛成しましたが、区として丁寧な対応をするよう、引き続き訴えていきます。ご意見やご質問などありましたら、お気軽にご連絡ください。