教師のバトン「もう死んでしまう!」…教育にこそもっと予算を!

これまで教員の方から過重労働への悲痛な訴えを数多く頂く中で、何度も区へ改善を求めてきました。1月末現在、20名以上の教員がうつなどで長期休養中、学校では教員の数が不足して、小学校では校長先生や専科の教員が担任を持つケースも。https://iwasetakeshi.net/2020/10/school-problem/ […]

★一般質問 誰一人取り残さない「SDGs」を練馬から!

年に一度の一般質問が終わりました。今回で6回目、毎回とても緊張します?。今回はコロナ禍の中で頂いた多くの訴えについて、その方の思いまで伝わるよう全力を尽くしました。 「PCR検査を受けられずに社会的に死にそうです!助けてください!」、「40年地域で頑張ってきたのに、緊急事態宣言ですべての仕事がストップ、私達は見殺しですか」「ずっと日本に貢献してきたのに、外国人ということで簡単に切り捨てられました」「教員の負担はもう限界です!」こうした一つ一つの言葉を紹介させていただきました。 区の回答、肯定的なものも数多くありました。詳細は改めてご連絡しますが、主な訴えと回答をご紹介します。 1.PCR検査体制の拡充を! →唾液を用いた区内診療所での検体採取について、医師会と協力して協議を進める 2.感染者の家族の支援を! →保護者が感染した際の子どもの受け入れ先の確保について、都へ要望する。 3.避難拠点について体育館に集めるのではなく、地域の集会所や区民館なども活用を! →公共施設の活用も含め検討し、今年度中に反映する。 4.感染拡大に備えた教員の確保 →国や都に必要な教員の配置について働きかける、スクールサポートスタッフをさらに拡充 5.学校でのICTの活用 →1学期中にウェブカメラ等を全校に配置、オンラインで学校と家庭がコミュニケーションできる仕組みを検討。LTE回線のタブレットを一人一台配布し、家庭学習で活用できるようにする。不登校の児童生徒へのケアも充実させる。 6.少人数学級の推進を! →今後も国や都の動向を見極めながら、適切に対応する。ただし、練馬区として独自に行う予定はない。 7.中小事業者に対して、家賃補助も検討を! →国の取組を踏まえて今後検討する 8.外国籍住民の支援のため支援体制の構築を! →庁内プロジェクトチームを設置し、外部有識者を招いた勉強会を実施。今後も取り組む。 9.外国籍住民の現状調査の実施を! →外国籍住民5千人および、区内事業所2千カ所にアンケートを実施し結果を取りまとめている。 10.生活保護の相談体制の拡充を →社協と連携し、相談者の生活状況に応じて必要な支援につなげていく 11. 地域の中小事業者への家賃補助を! → 国の動向を見ながら今後検討する

★最近読んだ本【日本は緩やかな「身分社会」。松岡亮二著「教育格差」練馬区はもっと教育にお金をかけるべき!】

★文部科学大臣が子どもの教育における経済格差を肯定する国、日本 先週末に議会が終わり、ようやく読みたかった本を少しずつ整理しています。 最初に読んだのは松岡亮二の「教育格差」。昨年の末に萩生田文部科学大臣が、親の経済的な事情によって子どもの教育を受ける機会に差が出てしまうことについて「身の丈」にあわせて頑張れ、と発言したことが問題になりました。私自身、国が子どもの教育の場において経済的な格差を認めてしまうということに激しい憤りを覚えました。 【日本は緩やかな「身分社会」】 この本では出身家庭(親の学歴や収入)と地域という本人にはどうしようもない条件によって子どもの最終学歴が大きく異なり、それが収入、健康、健康などの様々な基盤となる、ということを様々なデータを用いて証明しています。例えば、小学校に入学したばかりの1年生の時から出身家庭によって学力格差が確認できるといったこと、親の学歴によって子どもの学歴に大きな影響を受けるといったこと等が示されています。また、社会は変わっても、教育の格差は戦後から大きく変わっていないといったことも示されています。データを使ってこうして説明されると衝撃的でした。 【ではそれでいいのか?練馬区は教育にもっとお金をかけるべき!】 確かに現状はそうかもしれません、しかし萩生田大臣のように格差が発生することを肯定してしまったらおしまいです。格差を埋めるために何をするか考えるのが大人の責任であり、政治の仕事です。 【教育に最もお金をかけない国、日本】 教育の格差を埋めるためには何よりも公教育の充実が不可欠であり、そのためには教育にもっとお金をかけることが必要です。2019年、日本が教育にかけた費用のGDPに占める比率はOECD加盟国で最低の2.9%で1位のノルウェーの半分以下になります。実際、学校では教員が不足していて、練馬区の中学校では教員の残業時間が平均で60時間を越えており、うつ病などによって病気休職している方も25名もいます。一クラスの人数も40人近くに達しています。 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO35255610S8A910C1000000/ そんな中で練馬区では子どもの数が減ったことを理由に、一クラスの人数を減らすのではなく、学校の数を減らすことでさらに予算を削減しようとしています。子どもの数が減る中で、大事なことは予算を削減することではなく、教員の人数を増やすとともに一クラスの人数を減らすことで一人ひとりと向き合えるような教育を実現することです。 「教育格差」を読んで問題の深刻さと公教育の重要性を改めて実感しました。よろしければぜひお読みください。

【オランダの滞在】オランダの教育、 子どもの権利が中心です。練馬区ももっと教育に予算を!

先週までのオランダでの滞在中、子どもの権利の専門家として博士号を持つ大学の助教授、現地で子育て中の日本人の方、ブラジルから移住した方などからオランダの義務教育のお話を伺うとともに、現地の学校にもお邪魔しました。 1.「子どもが世界一幸せな国」のオランダ、モンテソーリやイエナプラン、小学校では好きな教育が選べます! オランダは「子どもが世界一幸せな国」とされる一方で、世界で最も教育水準が高い国の一つでありPISAや世界人材ランキングにおいても常に上位となっています。 オランダの教育の特徴の一つが、指導方法が日本のように学習指導要領などで細かく決められているのではなく各学校に任されていること。同国の憲法で「教育費無料」「学校における教育方針の自由」「学校における宗教・信条の自由」などが保障されています。そのため、いわゆる標準の小学校のほか、モンテソーリやイエナプラン、デモクラティックスクールなどの原理に基づくもの、そしてカトリック・プロテスタント、イスラムなど、宗教に基づくものなど様々あって、それぞれが公立か私立かを問わずとして政府から予算を受け、好きなタイプの教育を家族が選べるそうです。これは1930年代、地域ごと、宗教ごとに多くの学校が誕生し、それを抱擁する形で現在の仕組みになったとのことです。 2.生徒が先生に意見をすることが先生にとって一番の喜び…日本と全く逆です。 前述の助教授の方は高校でも教鞭をとっていますが、特に印象的だったのは、オランダでの学習の目的はその子が自分らしく育つことであり、好きなことを仕事にして、「楽しく、幸せに生きる」ためである、という言葉。ペーパーや記憶力の重視ではなく、日常生活と勉強を結び付け、勉強が好きになるための教育をしている、という言葉でした。音楽や体育、工作等含め、得意なことを伸ばし進みたい道に進むために、その子に合わせた学校やプログラム選びをさせ、なぜその勉強が必要なのか納得して進んでもらうのが重要とのこと。そして先生と生徒の立場がフラットで、先生の考え方に懐疑的な意見をすると先生が喜ぶとのことでした。批判的意見を言うというのは子どもがそのことに関心を持ってくれたからであり、それが教師として成功だと感じられるとのことでした。政治についても夜の8時のニュースで流れる現在審議中の法案についてや、選挙前に各政党の候補や政策等についてなど、学校で解説・議論することもあるとのことでした。 3.日本の学校のブラック校則について、子どもの権利はどこにあるの? 日本の体罰やブラック校則の話などをしたら驚いていました。目的と理由が明確でなければ生徒は従う必要はない、なぜ下着の色や髪の毛の色が決められなければいけないのか、と生徒に問われるのが必至であって、成立し得ないとのことでした。一人の人間として尊重されていないのではないか、子どもは学校や親の所有物ではない、という言葉は印象的でした。オランダでは生徒にもある程度の自治が与えられていて、生徒会の役員は学校の運営会議などにも参加し、学校の方針などにも一定の意見を言えるようになっています。 4.なぜオランダではこのような教育が可能なの?十分な予算がかけられているからです。 そのような教育を実現するためにオランダでは教育に十分な予算をかけているというのが重要です。一クラスの生徒は25人までで教師は必ず二人以上、複数担任制をとっています。また、小学校のうちは子どもの時間を豊かにするために週のうちの二回は授業が午前中のみで午後はスポーツを含めそれぞれが自由に過ごしています。また、通常宿題はないというのも大きな特徴です。 結論.練馬区ももっと教育に予算を! 練馬区では子どもの数が”少ない”といって一クラスの人数は変えずに学校の数を減らそうとしています。また、教員の負担も大きくなる一方で、職員の増加は行われておらず、公務員の中で最も心の病によって休職する比率が高いのも教員です。今のシステムの中で教員が一人ひとりの子どもたちと向き合うのは不可能です。だからこそ、区は道路や表面的なイベント等を連発することではなく、教育にこそもっと予算をかけるべきです。(写真はマーストリヒトのモンテソーリ式の学校と現地の市役所です。)

LGBT自治体議員連盟 研修会に参加して② 性教育の重要性について

7月25日~26日にかけて参加したLGBT自治体議員連盟の研修会。 豊島区役所での研修の他、新宿2丁目のコミュニティスペース「acta」と渋谷区ダイバーシティ―センター「アイリス」を視察。actaは厚生労働省の委託を受けてNPO法人が運営を実施。ゲイの方を対象としたコミュニティのハブ的な機能のほか、HIVをはじめとした性感染症を防ぐための啓発活動、行政とのネットワークなどを行っています。 2015年現在、新規に1,434名がHIV/エイズと報告されましたが、新規患者のうち、30.3%が東京で感染が判明(国内累積者25,995人)し、61.2%が日本人同士の性的接触で感染しています。そのうち、8割から9割が男性同士の感染です。また、最近の傾向として、東京での患者数は減少し、神奈川、埼玉などの近郊県での報告が増えています。 Actaが行った調査によると、ゲイの方で初めてセックスしたのは、平均で20歳前後、ゲイの男性とはじめて出会った時期に重なるとのことです。HIV/エイズの感染報告が最も多いのは20代ということで、若い方の性に関する知識、特にsafer sexの知識が不足しているからとのことでした。 こうした状況を受けて、actaではsafer sexの重要性を知らせるためのリーフレットを作成、配布しているほか、バーなどでコンドームの配布も行っているとのこと。また、actaには新宿のみならず、東京中から訪問者がいるとのことで、保健所との連携も行っているとのことです。 講師の方の「若い子はインターネットなどで情報を入手しているつもりになっている、でもその情報は間違っていることが多く、誤った知識は余計危険である。だからこそ、学校での性教育が重要である」という言葉、印象的でした。子どもたちが性に関する、特に性感染症を防ぐために正しい知識を持つことはとても重要です。今回の話を伺って、私たちも一般質問でも取り上げていますが、学校での性教育をしっかりと行うこと、また図書室や保健室などに性に関する書籍を揃えることなど、まだまだ行わなければと改めて実感しました。

2018-08-21T09:41:33+09:002017年7月31日|Tags: , , |

軍艦、ハワイ、朝鮮…皆さんは「軍艦じゃんけん」、知っていますか?

先日、実家の母と久しぶりに話した際、近くの小学校に通う友人のお孫さんが、学校で友達から教えてもらったといって、じゃんけんの「ぐー、ちょき、ぱー」の代わりに「軍艦、ハワイ、朝鮮」と言い出したとのこと。驚くと同時に、私も小さいころ、意味を知らないままに、「軍艦、ハワイ、沈没」と言って遊んでいたことを思い出しました…調べたところ、「軍艦じゃんけん」と呼ばれていて、歴史ははっきりしてないものの、戦時中にできたと推定されるそうです。 皆さんのまわりでは軍艦じゃんけん、ありましたか? このことから感じたのは、学校であまりに近現代史を教えてこなかったのではということです。知らないからこそ(私も含めて)、こうした遊びが無くならず、また、周囲が止めることもないのではないでしょうか。 私が外国籍住民との共生などについて駅等で訴えているとき、「南京大虐殺はなかった」とか、「従軍慰安婦はデマだ」とか、話しかけてくる方がいらっしゃるのですが、10代から20代の方が多く、「なぜそう思うのですか?」と聞くと、「インターネットや友人から学んだから。」とのこと。改めて聞くと、学校で近現代史はほとんど教えられなかったので、自身で勉強したとのことです。 ちょうど今、地域で日中韓の専門家が共同で編集した教科書「未来をひらく歴史」の読書会に参加していますが、それを読んでも日本の歴史教科書との違いも感じています。社会が、教育も含めてしっかりと歴史と向き合っていくこと、重要だと改めて感じました。

2018-08-21T09:41:39+09:002017年5月10日|Tags: , , |

全国学力テスト、本当に必要なの?(今日の新聞から)

今朝(4月19日)の朝刊に全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の問題が掲載されていました。こちら、すべての小学6年生と中学3年生を対象に実施されていて、今回が10回目になります。 学力テスト、始まった時から、教育現場を中心に大きな議論がありました。 このテスト、当初の目的は、子ども達の普段の学力を地域ごとに調べて、苦手な分野などの傾向を指導の改善などに反映させることにありました。つまり、競争などをさせるものではなく、学校ごとの成績を出したりはしない、というのが前提です。 でも現在は、学力テストが学校間の競争の材料にもなってしまっています。 例えば、島根県では、小中学校の2割が、昨年、学力テストの順位を上げるために、過去問を解かせたり、放課後に補習をしたりしたとしています。これでは「普段の学力」を把握して、それを今後に活かす、という本来の目的からかけ離れているものですし(こうした傾向について、昨年、文部科学大臣も「本末転倒だ」と述べています)、その結果、教育の現場、子供達にとっても負担になってしまっています。 学力テストについては、子ども達が自分の客観的な学力を知ることができるし、苦手分野を知ることもできる、という肯定的な意見もあります。しかし、このテスト、4月に行われて、その結果がわかるのは夏休み明け、4か月以上たってからになります。これでは、子ども達や保護者にとっても、効果的とは言えません。 藤田英典・東大名誉教授は「テストと名がつくものに、対策が講じられるのは当然だし、都道府県別結果を公表している以上、競争は必ず生まれてしまう、学力の把握や指導法改善のためなら抽出調査や10年に一度で十分だ。」と述べています。(毎日新聞の記事から) 毎年60億円もの税金が使われる学力テスト、本来の目的とはかけ離れ、また教育現場や子ども達にも負担を強いるようなものであり、10回を迎えた中で、本当に必要なのかも含めてそのあり方について、地域でもしっかりと議論をする必要があると思います。 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170418/k10010952441000.html

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