予算・決算特別委員会での発言時間の短縮について(練馬区議会の民主主義って?)

昨日の議会運営委員会、『議場での国旗掲揚について』の議論の他に、新たに『予算や決算特別委員会における発言時間』を変更する提案が与党よりなされ、共産党やネットが反対する中で決定されました。 予算や決算特別委員会における質疑時間は、会派の人数によって決まっています。 与党である自民党は71分、公明党は52分。その一方で、二人会派の私たちは11分、一人会派はわずか7分でした。とはいえ、11分というのは区からの答弁も含めての時間ですので、実際に質問できるのは5分程度になります。 今回出された変更は「議員の数に応じて、平等に時間を配分すべきだ」という主張によって、少数会派の発言時間をさらに制限するものでした。 その結果、自民党の発言時間は74分に伸びましたが、私たち「市民の声ねりま」は10分、そして一人会派は6分へと一分ずつ短縮されてしまいました。 この変更、わずか一分ですが、特に私たちや一人会派にとっては非常に大きな影響といわざるを得ません。1分あれば400字程度、一つの質問を行うこともできます。平等性は確かに大事だが、それと同じくらい区民のために使われるはずだった1分も大事だと思います。 先日も主張しましたが、私は民主主義とは、最終的には数で決せられるにせよ、しっかりと少数者の声を聴き、その声を最大限反映させることだと信じます。少数者の声を担保することなく、多数の声だけを押し付けてしまうのであれば、それは民主主義とはいえないと思います。 わずか数分とはいえ、このことに現在の練馬区の問題が象徴されている気がします。

2018-08-21T09:42:03+09:002015年12月12日|Tags: |

練馬区議会第四回定例会議会最終日

議会最終日。 今日は本会議における議決が行われました。 その中で、意見が分かれたのは1) コンビニ等でのマイナンバーを使った証明書の発行、2) 関越道路高架下での倉庫やスポーツ施設の建設、3) 児童館、学童クラブの指定管理業者への移行、そして4) 議場での国旗掲揚の是非、でした。最終的にはすべての議案が可決されました(1.2.3 については、別の記事でご報告します)。 国旗掲揚の是非について、今回の大きな論点の一つは、議論が尽くされていない中、強引に進めてしまう委員会や議会のあり方に問題がある、ということでした。 『議場での国旗掲揚について』は、賛成、反対それぞれの陳情が区民から出されました。しかし、議会運営委員会等ではその都度「継続審議」ということで、この10年、実質的には一度も議論をされていないのが実情でした。また、4年ごとに区議が改選されることを考えれば、自民党のいう「議論は尽くされた」という理由はなり立ちません。今回は共産党やネットの反対に加え、与党である公明党までもが、議論が尽くされていないという理由で採決には棄権をしています。 さらに、継続審議の求めを無視した委員会の運営にも問題がありました。今回、継続審議を要請した委員の主張を無視して採択へと移り、その会派が抗議のために退席した後に、継続の可否について採決をしています。本来なら、継続を要求した会派を呼び戻したうえで採択を行うべきものです。しかし、今回は副委員長を含めた委員が退席した中、採決が強行されてしまいました。 こうした状況を受けて、市民の声、共産党、生活者ネット、福祉、オンブズマンの5会派が連名で委員長への採決のやり直しを求めていました。 そうした中、本日も議会運営委員会が再度行われました。その中で、先日の委員会のあり方に問題があったことを指摘し、審議と採択のやり直しを求めましたが、十分な議論は尽くされたということでやり直しは否定され、最終的には本会議の議決でも、自民党、民主党、維新、無所属の賛成により可決されました。 国旗掲揚の是非は別としても、今回の件は、議会のあり方において、議論を尽くさず、議決が進められたことに危機感を感じています。非常に象徴的だったのは、議会での討論で、「議論を尽くし、ルールにのっとったうえでの民主主義を守るべきだ」という発言をした議員に対して、「多数決で決まってるんだ!」というヤジが自民党の議員から上がったことでした。 私は民主主義というのは、最終的には多数決で決せられるにせよ、多数の声だけではなく、しっかりと少数者の声を聴き、その声も最大限反映させることだと信じます。数に頼って、少数者の意見をすべて否定してしまうのであれば、それは民主主義とはいえないと思います。今回は残念ながら決定してしまいましたが、議会の中で少数の方の声もしっかりと届けられるようにこれまで以上に頑張っていきたいと思っています。

2018-08-21T09:42:03+09:002015年12月11日|Tags: |

練馬区議会での国旗掲揚について

今回の定例会(議会)で、大きな争点の一つが練馬区議会の議場での国旗掲揚を行うか否か、というものです。 これまでの練馬区議会、議場には国旗はなく、代わりに練馬区の区章が掲示されている、という状況が戦後から続いてきました。ちなみに他区の状況を見ると、議場で国旗を掲げているのは東京23区では15自治体(2015年12月現在)となっています。 先日「練馬区議会の議場で国旗を掲揚すべき」という陳情が区民の方から提出されました。こうした陳情はこれまでにも議会に提出されていましたが、「国旗を掲揚すべきではない」という陳情も多く出ている中、議論が十分ではないということで、毎回、審査が継続されていました。 そうした中、議会運営委員会が行われました。この委員会は3人以上の会派が参加することになっていますので私たちは参加していません。この中で自民党から、これまでに議論は尽くされている、という理由で結論を出したいという主張がなされました。 これに対して公明党は、まだ十分な議論は尽くされていないということで、委員会での採決を退席しました。公明党は練馬区でも与党の一角として自民党と行動を共にしており、このような形で退席したのは非常に大きなことでした。 しかし、最終的には自民5と民主2が賛成、共産2、ネット1が可決されてしまい、11日金曜の本会議で議決されることになりました。 このことで、戦後長く続いてきた練馬区議会に変化が起きようとしています。 国旗掲揚については、私自身は、議会の中で議論が十分に尽くされていない中、議決を急ぎ議場に掲げるべきではないと思います。 私は、生まれ育った国を愛するということそれ自体は素晴らしいことだと思います。しかし、国を愛する形は人それぞれであり、国旗の掲揚や国歌の斉唱という形で国を愛する心を外部が求めるべきではないと思います。 明日の13時から本会議の場で採決が行われます。池尻さんが会派を代表して討論を行いますのでお時間がある方はぜひ傍聴にお越しください。 (写真は練馬区議会の議場の写真、現在は練馬区の区章のみ掲げられています。)

2018-08-21T09:42:03+09:002015年12月10日|Tags: |

練馬区図書館での指定管理業者の導入について

今回の議会、文教児童青少年委員会では、平和台図書館について指定管理業者の選定が議論となりました。6月の議会で指定管理業者を導入すること自体は決定したのですが、それを受けて、今回の議会で指定管理業者を決定する、という流れです。 まず、私の考えは、図書館の目的は、国民が文化的な生活を送るためのインフラを提供することであり、指定管理業者による運営には馴染まない、ということです。 一般的に、指定管理業者に運営を任せることによるメリットとして、業務の効率化とコストの削減があげられています。 業務の効率化について、そのモデルとも言われている佐賀県の武雄市にある通称ツタヤ図書館を視察しましたが、そこで見られたのは、図書館が本来果たすべき役割よりも、目に見える成果である来場者数を増やすことに重点が置かれている、そんな姿でした。 コストの削減についても、大半は従業員の賃金を抑えることによって実現されています。指定管理業者が運営する図書館は、働く職員の方についても非正規の契約が多く、給料も抑えられています。2013年には足立区の図書館では職員の方が実質、時給180円で働かされていたという事件も起きています。(AERA「代替時給180円 図書館で行われた低賃金労働」 ) そんな中、今回は平和台図書館の指定管理業者の決定が行われました。応募団体5社の中から1社が選ばれたのですが、今回、受注した企業の能力にも疑問を感じています。 同社はこれまで、当該の図書館で窓口業務を担当してきたのですが、一方で、同社が単独で指定管理業者として図書館の運営を行った実績はほとんどありません。指定管理業者になると、施設の維持管理も行うのですが、これまでは共同事業体として維持管理は他社に任せる、という形をとってきました。唯一の例外が区民センター内の図書室、しかし、これは文字通り一つの部屋であり、図書館とは大きく異なります。 こうした状況を受け、私たちの会派では今回の議案に反対しました。しかし、委員会では与党による賛成多数となりました。 しかし、大切なのはこれからです。実際に平和台図書館が、指定管理業者によって、利用する方にとっても、そこで働く方々にとっても、望ましい形で運営されるように、しっかりと見守っていきたいと思います。(写真は視察した武雄市図書館)

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