HIV陽性の方からの訴え…もっと性教育を進めてください!

先日、HIV陽性者の方からこんなご相談を頂きました。 「12月の世界エイズデーで毎年、国や自治体でもHIVの啓発活動をしています。しかし、当事者への差別や偏見は全く変わりません。HIVの当事者であっても、数値が抑えられていたらたとえ性行為をしても感染することがない、といったこともしっかり教えてほしいのです。そして、HIVの予防には何よりも子どもの頃からの性教育が大切です。だからこそ、もっと練馬区でも進めてください!」 練馬区でも毎年世界エイズデーにあわせて啓発を行っていますが、当事者の方への差別や偏見を除く取組はあまり進んでいません。さっそく区の担当課と話をしたなかで、厚生労働省が作成しているU=Uのパンフレットをすべての保健所に配布するとともに、特にHIV検査をしている豊玉保健所においては積極的に周知をしていただくことになりました。ただ、性教育については、これまで何度も訴えてきましたがなかなか進んでいません。こうした問題について、議会でも積極的に取り組んでいきます。 皆さんから厳しい声も含めてこうしてご意見を頂けることが何よりも喜びになっています。ぜひどんなことでも結構ですのでお気軽にご相談ください。

HIV陽性者のお話 「ひとりの人間として見てください!」

私の活動の信念「マイノリティが住みやすい社会こそ、誰にとっても住みやすい。」その思いを実現するために様々なマイノリティの方からお話を伺う機会を持ってきました。(過去のイベントはこちら) 昨日はHIVの陽性者をお招きしました。私と同世代、お子さんもいるという彼ですが、最初にお会いした時の印象は、すごいガタイ...。ものすごい筋肉と体中にたくさんのタトゥー。ただ、私が活動していた中南米などではタトゥーはごく一般的です。お話するととても繊細で優しい方で、ZOOMのイベントもすごく緊張する…と仰っていました。その方が涙を流しながら「HIVの感染者ではなく、ひとりの人間として見て欲しい」と話す姿に胸を打たれました。 彼は建築現場でずっと働き、3年前に職場で吐血、病院でHIVに感染していることがわかったそうです。しかし、知識がなくもう死ぬしかないんだ、と治療を拒否して1年半、病名を隠して働き続けたとのこと。その結果、悪化して体が動かなくなってしまい、どうしようもなく近くのクリニック(診療所)へ行ったとのこと。そこで会った医師に「絶対に生きろ!」と言われたことで、初めて病気に向き合う気持ちになれたとのことでした。しかし、勇気を出してHIVの感染について会社に話したら翌日クビにされたとのこと、私も涙が出そうでした。その後、支援団体である「ぷれいす東京」と出会い、はじめてHIVは治療が可能であるということ、U=U(Undetectable = Untransmittable) の事を知ったとのこと。詳細はこちらをご覧ください。https://hiv-uujapan.org/ U=Uとはエイズウイルスを検出限界値まで抑えられたら、感染させることはないということで、例えば感染者同士で子どもを授かっても子どもは陰性であるとのことです。これらは、あまり知られていない事実です。だからこそ、自分に残された人生をHIVへの差別や偏見を無くすために捧げようと決意したとのことです。多くの感染者の方は差別や偏見を恐れて感染の事実を公表しませんが、彼は顔も名前も公開して訴え続けています。彼自身、現在は検出限界値までエイズウイルスは下がっているものの、治療が遅れたため、免疫はまだまだ低い状況であって、病気にかかるリスクは高いとのことでした。 ぷれいす東京の代表の生島さんのお話も印象的でした。日本では毎年1300名程度の感染が発覚するが、そのうち発症前に保健所等の自主検査でわかるのは3割程度とのこと。また、感染者のうち5人に1人程度は自身が感染していることに気付いていないとのことでした。 コロナの感染が猛威を振るい、コロナ感染者への差別や偏見が深刻化するなか、学ぶこともとても多いものでした。ぜひこうした機会を通じて、少しずつでも地域から変えていきたいと思います。

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