視察の二日目、愛知県一宮市が行っている治水対策を見学
一宮市では、日光川をはじめ市内をたくさんの河川が流れていることから、浸水被害が受けることが多かった。近年では、平成12年9月の東海豪雨、平成20年、22年のゲリラ豪雨の影響を受け、特に、平成22年には300世帯以上が床上浸水となった。こうした状況を受け、同市では、平成25年に総合治水対策の大幅な改訂を行った。
今回の視察では、同対策の概要について話を聞くとともに、実際の治水対策の現場を見学した。
同市の治水対策、5年に一度の頻度で発生している1時間あたり52mmの降水量を基準とし、これに耐えうる街づくりを目標に掲げている。
ただし、市内全域を同基準に合わせるには膨大な費用が掛かるため、重点地域を設けるとともに、すべての浸水を完全に防ぐのではなく、路上浸水までを許容範囲とする対策をとっていることに特徴がある。
具体的な対応の柱として、河川対策、流域対策、浸水被害軽減対策が掲げられている。
この中で、特に印象的だったのが、同市が流域対策として実施していた貯留施設の整備である。
貯留施設は雨水などを一時的に溜め込み、それを排出するもの。雨水が直接、川に流れて氾濫してしまうのを防ぐために設置している。
同市では小学校の校庭やスーパーの駐車場などの地中に大きな貯水槽を設置して、その中に水を溜め込もうとしている。また、各家庭においても貯留施設を設置するために行政が補助を行っている。
実際に浸水被害に幾度もあっている地域だからこそ、その具体的な取り組みは非常に参考になった。こうした取り組みについて、練馬でも学べる点についてはしっかりと参考にしていきたい。
(写真は一宮市の様子と地下に貯水施設のある小学校)