本日、総合・災害対策等特別委員会が行われました。

主な議題の一つが「練馬区国民保護計画」の変更についてでした。そこで、現行の国民保護計画に関連して外国人住民の保護について、災害要援護者の方への配慮について質問と意見を行いました。

この計画は、その名の示す通り「外国からの武力攻撃や大規模テロに際して、迅速、的確に国民を保護するために策定された計画」です。国民保護計画は、もともとは平成16年の「武力攻撃事態等における国民保護のための措置に関する法律」に基づき、平成18年に都の「東京都国民保護計画」が作成され、それを受けて、練馬区では平成19年に作成されています(2015年現在、全国の99%の自治体で作成済み)。そして、今回の委員会では、この計画を9年ぶりに変更するためのスケジュールや方針を報告する、というものでした。

区の説明では、都が平成27年に東京都国民保護計画を変更したため、練馬区でも変更するとのこと。今回の委員会での議論は計画の変更についてですが、なぜこの時期に変更を行うのか、また変更点の内容についてもしっかりと議論をしていきたいと思います。

今後のスケジュールは、本日、1月22日の委員会で変更の基本方針、スケジュール、そして変更素案の体系(項目)が提示され、次回の委員会で素案が報告されます。その後、2月下旬のパブリックコメントを受け、委員会で報告、6月に区長決定によって完了する流れになります。

(以下、委員会での質問と意見の要旨です)

<外国人住民の保護について>
(質問、岩瀬)
この国民保護計画は他国からの武力攻撃やテロを念頭に作成されています。
だからこそ、外国籍の市民や滞在者の方に対する差別や迫害を招くなどということがあってはなりません。

それを踏まえて、現行の「国民保護計画」の冒頭で「区が国民保護措置を実施するにあたり特に配慮すべき事項」として、外国人への保護処置の適応などの人権配慮に努めるとあります。そこで、具体的にどのような備え、準備体制をしてきたのでしょうか?また、今後の変更案ではどのように記載するのでしょうか?

(回答)
外国人や要介護者等の災害要援護者に対する避難、救援、情報伝達には特に配慮を行う予定です。特に、外国人の方への連絡のために、多言語での無線放送なども行います。

(主張、岩瀬)
もちろん、避難の誘導における外国語の対応は重要ですが、同時に差別や迫害を招くことを防ぐための備えも必要です。だからこそ、次回の変更版においては、そういった視点もしっかりと含めていただきたいと思います。

<災害要援護者の方への配慮>
(質問、岩瀬)
現行の国民保護計画の中に「研修および訓練」の項があります。訓練の実施においては、住民の避難誘導や、救援等にあたって、特に高齢者や障がいを持った方への適格な対応が図られるよう留意するとあります。また、訓練を通じて客観的な評価を行うとともに、参加者から意見を聴取するなど、教訓や課題を明らかにし、国民保護計画の見直し作業に反映するとあります。そこで、これまでに何度訓練を行い、その内容をどのように今回反映させるのでしょうか?

(回答、要旨)
区の職員を対象にした訓練は行いましたが、区民向けの訓練はこれまで行っていません。

(主張、岩瀬)
変更する際には、特に配慮を要する方への対応を含めるとともに、災害時の避難所の運営や救援物資などに関して、近年の地震災害時などでの教訓であり、「特に配慮を要する者」には女性の視点を含めていただきたいと思います。

次回の委員会では、変更素案が報告される予定です。
今回の意見や視点が反映されているかを含めて、しっかりと注視していきたいと思います。