先日、大泉学園駅の前を歩いていたら、カラフルな雑誌を掲げている男性が。「もしかして?」と思って近づいてみると、予想通りビッグイシューを販売していました。ビッグイシューはホームレスの方々に収入を得る機会を提供する機会として、1991年にロンドンで始まったもので、販売者はホームレスか自分の住まいを持たない方々です。雑誌は一部350円でそのうち180円が販売者の収入になります。以前勤めていた会社の最寄り駅には販売員の方がいらっしゃって、毎回楽しみに購入していたのですが、練馬で販売員の方にお会いするのは初めて。早速購入しました。ホームレスの人が読者の人生相談に答えるユニークなコーナー(アドバイスもいつもぐっときます)がお気に入り。
今回の特集「憲法のあした」ということで、改憲についての憲法学者の山本一さんと渋谷秀樹さんの主張が掲載されていました。憲法は権力・多数派の暴走に歯止めをかけるものであり、国民に法的義務を課すものではない。例えば、学校で習った「国民の三大義務-勤労、納税、教育」について、勤労については、そもそもマッカーサー草案には勤労の権利しかなく、義務と表現したのは日本人であるということ、また、倫理的な規定に過ぎないので罰則はないということ。納税に関しても「法律の定めるところにより」という部分が大切で、法律以外によっては課税されない権利を保障しているものであるとのこと。さらに教育についても、子どもの学ぶ権利を保障するために保護者に義務を課しているだけであり、不登校のこどもは義務を履行していないわけではない、等、よくある誤解に明快に答えています。
また、各国の憲法を見れば、その国がどのような理念のもとに政治が行われているかわかるとのこと。(記事でも触れられていましたが、私が暮らしていた南米エクアドルでは、08年の新憲法で、世界で初めて人間以外の自然の権利も認めています。「自然は諸権利の主体となる」「自然は回復の権利を有する」など、人間以外の生物や自然界にも権利が与えられています。私自身、エクアドルの集落で仕事をしていましたが、人々の自然に対する深い愛情が憲法にも反映されていると知り、改めて感銘を受けました)この記事では、世界の憲法を見渡しても、日本の憲法13条「すべて国民は個人として尊重される」という文言が特に美しいと仰っています。「個人を大切にするからこそ、一人ひとりの多様性を大事にする社会、ダイバーシティ」につながるとのこと。
ビッグイシュー、この値段で非常に充実。販売者もみなさん誇りを持って頑張っていらっしゃいます。最初は声をかけにくいかもしれませんが、ぜひ見かけたら購入されてください!