定例会の最終日、かしわざき強議長(自民党)への不信任決議案を5会派共同(共産党、生活者ネット、市民の声ねりま、ふくしフォーラム、オンブズマン)で提出しました。
練馬区で議長に対する不信任決議案が提出されたのは1964年、東京オリンピックの年以来となります。

なぜ、50年以上に亘って行われなかった不信任決議案を敢えて提出したか、それは今回の事件は、単に会派間の対立の問題ではなく、議会制民主主義の根幹に一つである「議会での発言の自由」が奪われてしまうかもしれない、そんな危機感があったからです。(詳細は以前の投稿をご覧ください)

共産党と公明党の議論に端を発した一連の流れの中で、議会の運営上、大きな問題がありました。1つは「事実無根の発言がある」と「全く事実」という2つの意見が出ている中で、事実関係を調べもせず、「全く事実」という一方の意見だけを取り上げ、強行に採決したことです。もう一つは、2名から動議が出されていたにもかかわらず、それを無視したことです。
なぜ採決を急ぐ必要があったのでしょうか?当該の会派を除く議員は、その場では、問題となった事案すら知りませんでした。もちろんその真偽を確認するすべも、材料もありませんでした。その段階で一方の発言の取り消しを求めるべきか、判断しようがない。判断していいはずがないと思います。

そして、それを多数決で決議し、共産党議員に対して発言の取り消しを迫った。しかも、それを議会の意思として決しようとした、大変重い行為でした。これは自由な言論と公平・公正な運営を軸とする議会としてはあってはならない行為です。

与党は、「その後の幹事長会で事実関係をていねいに検証した」と主張しています。しかし、それは採決のあとでしかありません。しかも、幹事長会で確認された事実とは、全体の一部でしかありません。こうした議会運営が認められるのであれば、真偽に関わらず、今後、どのような発言であろうと、動議によって撤回させられてしまう、そんな状況にもつながります。

そのため、野党5会派として、この間、議長に対して動議の撤回、取り消しを含む議事のやり直しを求めてきましたが、受け入れられることはなく、最終手段として不信任案を提出することになりました。

最終的には、自民、公明、民進、維新による反対多数で議長の不信任案は否決されました。
しかし、それでも、二度とこうしたことを繰り返してはならないという意思を明確にできたこと、そして今回の野党共闘を通じて議会の状況を多くの方に知っていただいたということ、大きな意味があったと思います。

議会の状況は厳しさを増しますが、これからもしっかりと向き合っていきたいと思います。