本日から二日間(11月13日~14日)、所属する交通対策等特別委員会の視察で福岡市に来ています。視察先は福岡市の西鉄天神大牟田線連続立体交差事業と地下鉄線七隈線延伸事業の二か所。初日は西鉄天神大牟田線の雑餉隈駅(ざっしょのくまえき)での立体交差事業の現場を視察しました。

実は私、福岡では二回暮らしたことがあります。一度は小学校二年生から中学1年生までの5年間、南区で暮らしていました。二回目は就職してから。三井化学という会社に就職して、最初の赴任先が西鉄天神大牟田線の最終駅、大牟田にある工場で働きました。ですので、西鉄の電車に乗って向かう時も、大牟田では厳しい上司に炭鉱節を教えてもらったな、とか、懐かしい気持ちに…

そして、雑餉隈駅では、現在行われている鉄道高架事業の視察を行いました。雑餉隈駅の利用者数は1日14,700名、天神から約7.5㎞に位置しており、西武線では桜台とほぼ同規模となります。この地域は福岡市南部の地域拠点で、駅を中心に商店街も広がっています。しかし多くの踏切があることで、慢性的な交通渋滞や踏切事故などが多発しており、地域の分断などの支障も出ていました。そこで、この事業では雑餉隈駅を中心に1.9㎞の高架化を行うことで7カ所の踏切を失くすことになります。踏切の状況について伺うと、現在もピークの時間には1時間のうち39分間、踏切が閉まっているとのことでした。

工事は平成22年から平成35年まで、事業費は340億、そのうちの約9割を福岡市が負担し、1割を事業社が負担しています。なお、今回の高架化に際しては西鉄の敷地内に新駅をつくるものの、都市計画道路の導入や駅前広場の新たな建設といった面的な整備はなく、あくまでも高架化が主眼となるとのこと。

また、地下化については、予算がかかりすぎるということ、雑餉隈駅につながる別の工事期間(事業主体は福岡県)では既に高架化として事業が行われていたことから検討されなかったとのことです。

実際に視察する中でも多くの電車が行きかい、何度も踏切で足止めされました。近くの住民の方に聞いても、あまりに踏み切りの時間が長いから、あまり線路の向こう側には行かなくなってしまった、というお話でした。また、駅の周辺も空き店舗が非常に多く、福岡の中心に近いにも関わらず、閑散としていました。踏切や線路によって地域が分断され、生活圏が狭められてしまう状況を改善するために、踏切を失くすという取組、練馬区でも西武新宿線を中心に必要であると改めて感じました。