本日の健康福祉委員会では国が5年ごとに行っている生活保護基準の改訂について報告がありました。今回の改訂は、全国では67%の世帯で受給額が減額(増額は26%)、練馬区だけでは受給世帯の概ね8割が減額(増額は2割)ということで、とても大きな影響を持つものです。
そもそも改訂においては、最も所得が低い方と生活保護世帯の消費の実態を比較し、最下位層(最も貧しい方)の消費水準に合わせて生活保護の金額を引き下げるという方法がとられました。しかし、貧困の固定化、深刻化や格差の拡大が言われている中で、最下位層に合わせることが適切とは思えません。(詳しくはこちらをご覧ください:http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/289664.html

特に現在、生活保護を利用する資格のある人のうち、実際に利用している人(捕捉率)は2割以下といわれる状況において、比較対象となる最下位層の方には、生活保護基準以下の生活をしている人たちも多くいます。そうした中、最下位層との比較をすれば、際限なく基準を引き下げ続けることにもなります。

生活保護の基準は就学援助などの区の様々な支援とも関連していて、低所得層で生活保護を利用していない方にも大きな影響があります。今回の改訂に関連して練馬区の事業への影響を確認したところ、9事業に影響があるとのこと。特に就学援助に関しては、今回の改訂によって22名が援助の対象から外れてしまうとのことでした。区の説明では13名が新たに対象となるので、改訂にあわせて自動的に変更する、という説明でしたが国は、「就学援助などについてはできる限りその影響が及ばないよう対応することを基本的考えとする」と示しています。こうした影響が出てしまうことは区として避けるために取り組むべきです。

10月からの開始に向け、区として丁寧な対応を行うよう、今後も求めていきたいと思います。

生活保護基準の改訂についてイメージ