<災害時の命綱である避難拠点について、質の改善を!>

今週から決算特別委員会が始ました。昨年度、練馬区が行った事業の内容を審議するもので、費目(種類)ごとに質疑を行います。持ち時間は会派の人数によって決まっていて、二人会派だった以前は10分でしたが、高口さんが当選したおかげで今回から14分になりました。とはいえ、この時間は区からの答弁も含まれているので実際に話せるのは半分程度。しかも区の答弁はわからないので、何通りもシナリオを考えては限られた時間の中で効果的な答弁を得るために毎回数十時間を費やしています。

初日は①災害時の避難拠点の質の改善について、②練馬区の外国語のウェブサイトの質があまりに低いこと、③議会の改革について、を取り上げました。

今日は①避難拠点の質の改善について、議論のやり取りの概要をご報告します。あくまでも私が記録したものであり、詳細は今後公表される議事録をご確認ください。

<はじめに>
災害が起こると避難所は住まいを失い、地域での生活を失った被災者のよりどころとなります。しかし、東日本大震災などでは避難所における生活の質には課題が多く、狭い空間での生活によって多くの避難者が体調を崩しました。(練馬区では避難所を「避難拠点」と呼んでいます。)そうした中、国は災害基本対策法を改訂し、災害が発生したときの避難所について、「良好な居住性の確保」に必要な措置を講ずるよう努めるべきと定めました。

<岩瀬の質問>
避難拠点の質を考える際、大切な視点の一つが一人当たりの面積を十分に確保することです。練馬区では避難拠点における一人あたりの面積を2㎡と規定しています。しかしこれは、寝返りを打つだけで隣の方にぶつかってしまうほど狭いもので、決して十分とはいえません。そこで伺います、練馬区が一人当たりの面積を2㎡と定めた理由をお答えください、また、一人当たり2㎡で十分と考えているのか区の考えをお聞かせください。

<区の回答>
東京都の地域防災計画の中で、区市町村における避難拠点の一人当たりの面積をおおむね3.3㎡あたり二人としています。この考え方に基づいて練馬区は2㎡としました。一人の面積は広いに越したことはないですが、発災直後の状況を考えると一定の水準を満たしていると認識しています。

<岩瀬の主張>
東京都の基準を参考にしているとのことですが、内閣府が2017年に出した手引きによると一人当たりの面積は、地方公共団体において適切に定めるとしており、自治体によって異なります。実際、内閣府の調査によると避難所における1人あたりの収容面積は、1都四県では1.57~2.93 ㎡/人です。

熊本地震で「災害関連死」と認定された人は地震の直接の影響で亡くなった方の4倍以上に達しました。この方々についてNHKが調査を行った結果、避難所の生活や、車中泊を経験した人が、全体の45%にのぼることがわかりました。専門家は、避難所の環境が悪いことや、避難所を避けて車中泊を選んだことが原因だと分析しています。

区の考え方では、現在の状況では仕方がないといった主張ですが、そもそも今の避難拠点で十分なのか、という問題もあります。練馬区は小中学校を避難拠点としており、特に体育館を基本としている。しかし、そもそも小学校の体育館では現在の基準でも250名程度しか受け入れることはできず、利用可能なすべての教室を使っても650名程度しか受け入れられない学校もあります。そもそも学校は授業の早期再開を目指しており、すべての教室を避難拠点として考えること自体に無理があります。だからこそ、避難拠点の環境を改善するために、避難拠点の数を増やすとともに、面積基準を見直すべきと考えますが区の所見を伺います。

<区の回答>
防災計画では避難拠点に避難する方の数は発災後三日間がピークを迎え、その後は一律に減少していくことになります。そういった意味で、日を追うごとに避難者は減少して、それによって一人当たり面積も増加します。避難者が減らない場合は、地域防災計画で示す通り、区立施設が臨時避難所となっており、その活用も視野に入れます。

<まとめ(岩瀬の主張)>
発災直後は仕方がないといった主張ですが、内閣府が策定した「避難所運営ガイドライン」では国際基準として「スフィアプロジェクト」が紹介されています。同基準では避難所において一人当たり最低で3.5㎡のスペースを確保することが求められています。海外の避難所ではこの基準が当たり前のように使われており、内閣府も今後の避難所の質の向上を考える時、参考にすべきとしています。ぜひ今後の検討をお願いします。

<岩瀬の感想>
避難拠点の質について、熊本地震でもボランティアを行った登山家の野口健さんは「日本の避難所は、ソマリアの難民キャンプより環境が悪い。」と指摘していました。熊本地震の避難所で行った調査でも、スペースが狭いため、長時間同じ姿勢でいたこと等が原因で「血栓」が足にできるケースが多くみられたといいます。練馬区は2㎡でも一定の水準を満たしていると答えましたが、避難拠点には、乳幼児と保護者、外国人、性的マイノリティ、要配慮者など多様な背景の方が集まる中で、決して十分とは言えません。避難拠点での十分な面積を確保するのは避難拠点の運営を考える上での基本であり、今後も訴えていきたいと思います。

 

By |2018-09-20T21:05:20+00:002018年9月20日|0 Comments