10月25日から26日まで、所属する健康福祉委員会(常任委員会)の視察で香川県を訪問しています。初日は香川県で成功をおさめ、全国のモデルにもなっている農業と福祉の連携(農福連携)について、県庁の農政水産部農業生産流通課の方から説明を受けました。
香川県ではにんにくや小麦をはじめとした多くの農産物を栽培しています。しかし、農業者の高齢化が問題となっています。他方、障がい福祉の分野においては、一部福祉施設では農業に取り組んでいましたが、専門的なノウハウを有しておらず、規模が小さい、工賃も少ないといった課題も抱えていました。そうした中、双方の課題解決のため、県の主導により障害者福祉施設と農業者をつなぐ取組(農福連携)が10年前に始まりました。様々な試行錯誤の中で、県は農業者と施設の中間支援団体としてNPO法人香川県就労センター協議会を設置し、そこに国の補助を受けた農福連携専門のコーディネーターを3名配置しました。同センターでは農作業の一括受注、作業日程や内容を施設に周知し、参加施設を募集、作業料金を参加施設に分配、などを一元的に担っています。
その結果、県内の27事業所が農福連携を実施するようになり、昨年は11,000人以上の障がい者や施設関係者が実際に農業に携わっています。さらに、農業者からの要望も増加を続けていて、供給が追い付いていないとのことです。
香川県の分析によると、成功の一番の要因は、自治体が主導で中間支援団体にコーディネートや支援を委託し、マッチングするという流れをつくったこととのことでした。練馬区も都市農業が盛んで、農福連携も一部では行われています。しかし事業として拡大するためには、農福連携に限らず、区だけの事業ではなく、中間支援団体を活用しながら総合的にコーディネートを図ることが非常に重要だと改めて感じました。