先日、こんな訴えが飛び込んできました。

「お願いです。5日間、37.3度前後の発熱が続いていますが、練馬区ではPCR検査を受けさせてもらえません。感染かどうかわからないので、有給休暇をとることしかできませんがもうなくなりました。感染症という診断がないため欠勤扱い、給料を引かれます。もうクビになります。社会的に死にそうです!助けてください!」

あまりに悲痛な訴えに驚き、すぐに連絡を取りました。

話によると、その方のお連れ合いがこの5日間、熱と共に胸の痛みを感じているとのこと。保健所へ電話をし、数件の病院を紹介されたものの、そのうち1件は「発熱外来は受け付けない」と電話で拒否、ようやく1つの病院がみてくれたものの、熱は基準の37.5度には至らず、レントゲンでは、一部に影があるがまだ肺炎とは言えないのでPCR検査は受けられない、と言われたとのこと。

その方にとってさらに厳しいのが、診断書がないために会社は自主的に休暇をとらざるを得ず、もう取れる有給休暇は明日まで、以降は「欠勤扱い」になってしまい、職をうしなう可能性もある、とのことでした。

「コロナでなくとも、感染症という診断がなければ欠勤ですので、どんどん給料は減ります。なんとかPCR検査をうけたい、コロナかどうかで、今後の生き方がかわる。練馬区医師会によるPCR検査センターがもっとはやくできれば、お医者さんたちも動きやすいと思います。早くPCRが受けやすい環境を作ってください!」

あまりの状況に言葉もありませんでした。

厚生労働省は指針で「一定の症状があることで使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には休業手当を支払う必要があります」としていますが、実際には大手企業ではないかぎり、とくにいわゆるブラック企業は、そう言われても対処できない、というのが現実です。

区の担当所管に問い合わせたところ、PCR検査が必要かどうかは医師の判断で、たとえ医師が必要だと診断しても、あまりにも数が多いので、優先順位をつけなくてはいけないとのこと。

残念ながらこれが現実です。

「なによりも、PCR検査を受け安くするルートをもっと広げて、このようなケースを1人でも助けていただきたいのです。そして有給休暇をとらざるをえず、その結果、職をうしなう人までいる、というケースをぜひ訴えてください。見えにくいとはおもうのですが、二次被害として深刻です。」

すぐに力になることができず、本当に悔しいです。

今回のご相談では、PCR検査の問題とともに、コロナに感染している可能性がある方をどう社会的に守るか、という大きな問題があります。国としても感染の疑いのある従業員の方に対する休業補償をしっかりと行うべきですし、練馬区においてもPCR検査を自治体として実施できる体制を作ることが不可欠です。なんとしても一刻もはやく区としての検査を実施できるよう全力で働きかけていきます。