10月20日の13時半から霞が関の東京地方裁判所で「石神井まちづくり訴訟」の一回目の口頭弁論が行われ、私も傍聴しました。地域の方を中心に傍聴席はほぼ満員でした。

今回の訴訟、住民の方々が東京都を被告に訴訟を起こしたもの。訴訟の直接の目的は石神井公園駅の南口の再開発について、都によって事業者となる市街地再開発組合の設立が認可されたことについて、その取り消しを求めること。

訴訟の一番の目的は、再開発自体をとめること。本事業では100メートルのタワーマンションが建つ予定。区からは、2024年4月に工事着工、2027年3月に竣工のスケジュールが示されています。ですので、直接の被告は東京都ですが、実際には地区計画を変更した練馬区も責任を問われることになります。

原告を代表して二名の方がそれぞれ思いを発言しました。90年以上に亘って地域で医院を経営してきた方、ある日突然、自分の家がタワーマンションのエントランスになると聞かされ衝撃を受けたとのこと。また、公平中立であるはずの練馬区がデベロッパーと一緒に事業を進めようとしているということ、再開発組合が認可されたことで強制代執行や立ち退きが現実のものになるという不安や恐怖を切々とお話されました。また、そもそもこの地域では10年近くをかけて住民が作り上げた35メートルの高さ規制があったのに、区が突然100メートルの高さまで認めてしまったことなどが訴えられました。

住民の思いが全く練馬区に届かない、それが今回の訴訟にも繋がっています。都市整備委員会でも訴えましたが、練馬区には「当事者ぬきで当事者のことは決めない」こうした姿勢が求められていると思います。来年4月には権利変換計画の策定を予定していますが、地権者や住民の思いを十分に受け止め、事業を中止するよう引き続き訴えます。