決算特別委員会では、石神井公園駅南口の再開発についても訴えました。
昨年度以降、事業が大きく進んでいる中で先日の委員会においても権利変換計画が出来たことなどについての報告がありました。しかし、その進め方には様々な問題があります。これまでの議論はこちらの記事もご覧ください。https://iwasetakeshi.net/2022/10/shakujii/

【1.反対する地権者の代わりになぜ練馬区は印鑑を押したのか?】

区は計画ができたことをもって、地権者からの一定の理解が得られたと説明しています。しかし、協力を拒む地権者については、練馬区が代りの許可、いわゆる「代印」を押して作成を進めたものです。地権者からは弁護士を通じ、利害関係者である練馬区が代印を押したことに抗議が寄せられています。区は「直接管轄をしている西部地域まちづくり課ではなく、総務課が代印を押したので利害関係にはあたらない」と説明しています。しかし、同じ役所内の組織にもかかわらず、なぜ別の部署であれば利害関係にないなどといえるのでしょうか?

【区の回答】

①課長の答弁

再開発事業では区としてビルの床を取得することについて、西部地域まちづくり課は推進をしていますので、もしかしたら利害関係者にあたるかもしれない。しかし、法の立て付けでは、違う課では印鑑を押せるので今回も利害関係者ではないと認識。

②部長の答弁

あくまでも民間の再開発であり、区として床を取得することについても協定は結んでいるが、まだ権利者にはなっていない。そのために、区は利害関係者とはいえない。

【岩瀬の訴え】

課長と部長の間ですら、利害関係者についての認識が異なっています。
今回の件は、同じ区内の組織であっても右手でなくて左手ならいいと言っているものであり、やるべきではなかったと思います。

【2.反対する住民への立ち退きはないの?】

練馬区は「地権者の希望が一定反映されているので大丈夫、立ち退きには至らないのではないか」と見解を示しています。改めて確認する、練馬区は何を根拠に立ち退きがないとしているのですか?

【練馬区の回答】

今回の事業では、区域内に残留するか、区域外に移転するか選ぶことができる。どうしても建物を建てる時には仮移転をお願いするが、この事業では他の地域に移り住んでいただくことではないので、立ち退きではない。

【岩瀬の訴え】

そもそも地権者の方は今の住み慣れた家に住み続けたいと願っている。希望に反して家を壊され、そのうえで同じ場所にある新しいビルに住めるから立ち退きにあたらないというのは住民の思いとは全く異なるものであり、詭弁だと思います。

地権者の方の一人は50年以上、地域での診療や学校医としての活動を続けてきた中で、東京都歯科医師会からも表彰されるとのこと。可能であれば死ぬまで白衣を着たい、一生現役で続けたいとの思いを持っていた。今回の移転によって引退せざるを得ない。今回の件で人生が大きく変わってしまう。そのことについて区として重く受け止めるべきです。

【3.なぜ再開発工事での商店街への補償は検討もしないのか?】

再開発工事によって生ずる近隣商店会での売り上げ減への補償についても質問する。今後、工事によって動線が妨げられ、その結果として地域の商店街の売り上げにも影響が出ることが想像されます。しかし、そのことについて、区は例え売り上げが減少したとしても因果関係がわからないので組合に補償を求めることはないと明言しています。因果関係がわからないのであれば、せめて調査をさせたうえで補償の是非を判断すべきであり、今の段階で結論を出すべきものではありません。

【区の回答】

工事期間中も含め、商店街に対する補償の検討などについて、組合に指導を行うような考えはない。

【岩瀬の訴え】

計画に反対することで住民に不利益が被るようなことがあってはならない。組合任せにするのではなく、区として責任をもって対応することを求めます。(写真は東京都のホームページから)