11月8日から9日まで、所属する練馬区議会のみどり環境等特別委員会の行政視察で宮古島を訪問。初日は宮古島市が取り組む「エコアイランド宮古島」の取組を学びました。
はじめに
宮古島は人口55,000人、東京から約2000キロ、那覇から300キロで台湾との中間に位置しています。平坦な島で、大きな河川はなく、台風や干ばつを受けやすい厳しい自然環境の中に存在します。近年、地下水汚染、不法投棄、オーバーツーリズムなどの課題が発生するなかで、環境の保全や資源循環、地域産業の振興が大きな課題になっています。
エコアイランド宮古島宣言2.0
2018年、エコアイランド宮古島宣言2.0を発表するとともに、千年先の未来を見据えた5つのゴールを示し、2050年には二酸化炭素の排出を実質ゼロにするとしています。参考資料はこちらです。
脱炭素施策
市では脱炭素化への取組としてエコハウス普及啓発事業、EV普及促進事業、島嶼型スマートコミュニティ実証事業、マイクログリッド構築事業などを実施。特に印象的だったのが、今年度から1,757戸をモデルにPPAでスタートする太陽光と蓄電池、EV充電池を普及する事業です。こちらは、宮古島未来エネルギーや沖縄電力との協力によって実施されるもので、成功すれば地域内を完全再エネ化することが可能になります。
理想通貨制度
活動を可視化するために市では「理想通貨」制度を導入。2021年にはグッドデザイン賞を授賞しています。こちらは、エコ活動を行った市民に地域通貨を配布し、市内の協力店舗で得点の提供を受けられる仕組み。特徴は、同通貨は換金性はなく、あくまでも寄付として、店舗の善意によって成り立つというもの。現在は57店舗が協力しています。担当課長の話では、経済性に載せるのではなく、民間企業が行政とともに、環境問題に共に取り組むことに意義があるとのことでした。
感想
宮古島市は地理的な背景もある中で、エコアイランド推進課などの専属の部署も設置して、自然体で環境問題に取り組んでいる印象を受けました。練馬区でも太陽光発電と蓄電池の普及促進の取り組みは始まっていますが、こうした先進事例を参考に、さらに発展できればと思います。また、地域通貨制度も経済ラインに乗せずに、人々の善意で運営するという方法も非常に印象的でした。