2024年12月13日、令和6年練馬区議会第4回定例会の最終日、ミャンマーでの民主的な政治体制の早期回復や、迫害を恐れて帰国できない在日ミャンマー人への緊急避難措置の継続などを練馬区議会として国に対して求める陳情に賛成の立場で討論を行いました。
採決の結果、賛成は私達(インクル)、立憲、共産、生活者ネット、つながる、れいわに対して、自民、公明、練馬会議、維新、みどりの風、賛成党の反対で否決されました。結果はこちらをご覧ください。
討論の内容は以下の通りです。
インクルーシブな練馬をめざす会を代表して陳情第62号「日本政府に対して、ミャンマー軍の徴兵制による日本在留ミャンマー人、及び日本への避難を希望する若者たちの安全確保等を求める意見書の提出について」および陳情第86号「日本政府に対し、ミャンマーの民主的な政治体制と平和の早期回復のための行動を求める意見書について」採択すべきとの立場で討論を行います。
陳情の要旨はミャンマー軍による軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復を求める決議や、ミャンマー国軍からの迫害を恐れて帰国できない在日ミャンマー人への緊急避難措置の継続および保護支援の実施などを国に対して求めるものです。
ミャンマーでは、2021年2月に国軍がクーデターで不法に政権を奪ってから3年余り、市民を武力で制圧する軍事政権が、今年2月に18歳以上に対する徴兵制を実施、毎月5000人を招集すると発表しました。戦闘で犠牲となるばかりか、国民同士に殺し合いをさせる卑劣な制度であり、多くの若者が国外への避難をするとともに、自殺者も出ていると伝えられています。こうした中で、国際社会による人道的見地からの救済が求められています。
国会においても、2021年6月に衆参両院で「ミャンマーでの軍事クーデターに対する非難決議」が採択されています。
ミャンマーは、練馬区とも深い関係のある国です。12月1日時点でも区内に千名を超えるミャンマー人が暮らしており、これは昨年と比べると倍近くの数です。
両陳情の提出者も練馬区在住です。陳情86号について、代表者から頂いた思いを一部お伝えします。
「私はミャンマーの民主化活動をしていたため何度も捕まり、自分と家族の身の安全を守るため、2006年に来日し、現在練馬区で暮らしています。独裁軍により、ロヒンギャのように国籍を与えられず、差別され続けている人たちがいます。
ミャンマー国軍による違法な軍事クーデターが強行され、4年近くが経過している現在でも、軍や警察による暴力と武力行使により多くの市民が犠牲になっています。空爆や焼き討ちも続いていて、本当に心が痛いです。私は、一日も早く人権・民主主義が回復されることを願い、日本で、そしてここ練馬でミャンマー民主化に向けた活動を必死に続けています。私だけでなく、日本にいる多くのミャンマー人が、同じ思いです。
2021年に衆参両院で「ミャンマーでの軍事クーデターに対する非難決議」が採択されたことは素晴らしく、私たちに勇気を与えてくれました。その国会決議がこれまで以上に具体的で実効性のある対応となるように、どうか、日本政府に対して練馬区議会から意見書の提出をしていただけるよう、採択をよろしくお願いいたします。練馬区議会の皆様にご協力いただけると本当に心強く、私たちミャンマー人の生きる希望となります。」
300万人を超える方が、国内避難民や難民として苦しむ状況に胸が痛みます。ミャンマーの方が、練馬区をはじめ、陳情活動を通じて日本政府に働きかける活動を行っていることを重く受け止め、人道的見地から、陳情に掲げられた要望項目も含め、国に求めるべきです。
ミャンマーの民主的政治体制への早期回復に向けて、在留ミャンマー人の方々の陳情に応えるべきであることを申し述べ、賛成討論といたします。
陳情者の思いが届かなかったのは非常に残念ですが、全ての私たちの問題として、今後もこの問題をしっかりと訴えていきます。写真は9月に実施したロヒンギャの方の勉強会です。その時の様子はこちらからご覧ください。