令和7年(2025年)第38回照姫まつりの開催が4月20日に決定。2024年には5万3千人が来場。私も歴史好きの息子と毎年参加しています。しかし外国語での説明が一切ないこと、メインイベントである照姫行列の参加者の要件が照姫は12歳~17歳、豊島泰経は30歳以上、若武者は8歳~12歳の男性でなければならず、年齢やジェンダーに関わる要件があまりに厳しいことなど、改善も必要です。

2月17日の区民生活委員会で「第38回 照姫まつりの開催について」報告がありました。

照姫まつりとは
昭和63年から開催されている練馬区の2大まつりの一つで、例年4月の第四週目の日曜日に開催されます。地元に伝わる室町時代の石神井城主豊島泰経と娘照姫の伝説にちなんだお祭りで、会場となる石神井公園、石神井公園駅南口駅前、駅と公園を結ぶ商店街には、毎年多くの方が訪れます。(出典:練馬区

私も歴史好きの息子と、東京文化財ウィークに開催される石神井城の特別公開とあわせて毎年参加しています。委員会では、照姫まつりについて時代にあわせた改善や史実の解説も行うよう求めました。

多言語対応について

照姫まつりではウェブサイトをはじめとした多言語対応が全くされていません。2月16日現在、来年度(令和8年度)の練馬まつり・照姫まつり事務局業務を委託する事業者をプロポーザル方式で募集しています。事業者からの質疑への回答の中で、練馬区は「現状、多言語対応の必要はありませんが、今後、対応が必要となる可能性があります。」としています。

(出典:練馬区)

募集要項等はこちらをご覧ください。

練馬まつり・照姫まつり事務局業務委託

事業者からの質問への練馬区回答

これまで多言語での対応がされなかった理由について区は、来場者は練馬区民および近隣住民が圧倒的多数で外国籍の方は少なかったから、としたうえで今後について対応を検討していくとの答弁でした。

照姫まつりは日本文化や練馬区を紹介する貴重な機会でもあります。練馬区は「外国人に開かれたまちづくり」を目標に掲げる中で、ぜひ多言語対応を進めるよう求めました。

年齢、ジェンダーの要件について

照姫まつりの一番の見どころである照姫行列の主役の照姫・豊島泰経・奥方の選考結果が2月9日に公表されました。今年度の応募倍率は、照姫が15倍、豊島安恒が12倍、奥方が10倍でした。

募集要項では照姫の条件は12-17歳の女性、豊島泰経は30歳以上の男性、若武者についても、8歳から14歳の男性に限定されています。

(出典:練馬区)

募集要項

しかし輝姫伝説はあくまで時代小説に基づく伝説であり、実在したかも不明であり、豊島泰経も生没年は不詳です。

ジェンダーについても、例えば山梨県で開催される日本最大の武者祭り「信玄公祭り」において主役の信玄公を2023年は冨永愛さん、2025年は紫吹淳さんがそれぞれ務めることになっています。年齢、ジェンダーについて時代にあわせてより多様性を持たせるべきです。

練馬区の回答は、あくまで時代まつりなので、昔の警護武者は男性だったとか性別を設けている。今後の検討の余地はあるかもしれないが、現時点で変更する予定はないとのことでした。

石神井の歴史の解説を

以前から輝姫まつりにあわせて、石神井城の歴史などを区民が知る機会にすべきと訴えてきました。練馬区の指定登録文化財である石神井城跡出土小刀をはじめとした出土品の展示や石神井城の復元模型の作成、石神井城の歴史についてのパネルでの説明なども行うべきです。練馬区は、様々な制約があるなかで検討をするとの回答でした。

照姫まつりのあり方についても時代と共に変更していくことが必要です。今後も改善を求めていきます。