今年も練馬区ではPayPay(ペイペイ)で買い物をすると10%のポイント還元キャンペーンを実施。7月1日から8月10日までの40日間。最大で5000円分の還元になります。もちろん家計にとっては嬉しいですが、費用は6億8千万円、なぜ税金を使ってペイペイ1社のみを優遇するのでしょうか?

5月27日の区民生活委員会で「キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施について」報告がありました。本事業ではペイペイを使って対象店舗で期間中に買い物をすると、10%のポイント還元が受けられるというものです。昨年までは20%でしたが、今年は10%に。今回で5回目となります。

03 【資料2】キャッシュレス決済ポイント還元事業の実施について

 

なぜペイペイしか使えないのか?

練馬区が税金で行う10%の還元事業ですが、なぜペイペイしか使えないのでしょうか?
今回の事業予算は6億8千万円ですが、内訳は国からの補助(物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金)が5億円、練馬区の負担が1億8千万円になります。そこからペイペイへの事務手数料として区から4千万円、対象店舗からはペイペイに対して売り上げの1.95%程度を手数料として支払うことになります。つまり総額のうち、5千万円以上がペイペイの収入になります。

(出典:ペイペイウェブサイト)

他区の状況を見ると、2024度に同様にペイペイを使ってキャッシュバックキャンペーンを行ったのは、練馬区を含めて葛飾区や品川区、墨田区、足立区などの6区程度。さらに品川区や足立区など3区ではペイペイだけでなく楽天ペイ、auPAY、D払いの4種類の決済を採用しており、ペイペイのみだったのは3区程度のみです。今年度については、ペイペイを使ったキャッシュバックをする自治体はさらに減少しています。

対象となる地域のお店からも手数料が高くてしかも入金は1か月後。売上が増えるわけでもなく辞めて欲しいと言った声も届いています。

対象となる店舗に大手ハンバーガーチェーン等も

また対象店舗について、練馬区は区内中小企業の約6千店舗としていますが、資本金などで判断されており、例えば全国展開している大手のハンバーガーショップなども対象になっています。数字上は中小企業かもしれませんが、練馬区の税金で支援する必要があるのでしょうか?

制度の見直しを!

そもそも、今回のキャンペーンで恩恵を得られるのはスマホやペイペイを使いこなせる方のみ。公正でであるべき税金の使い方として適切なのでしょうか。

こうした中で北区など多くの自治体では、独自のデジタル通貨や共通商品券など、他の方法での中小企業や消費者支援を行っています。本事業が開始されて5年目、当初はコロナの感染拡大で売り上げが低迷した商店を支援するために行われていました。事業の目的も大きく変わる中で見直しを行うべきだと思います。ご意見などあればぜひお寄せください。これまでの訴えもこちらからご覧ください。