12月8日の文教児童青少年委員会で、区立児童館・学童クラブの指定管理者の指定に関する議案が審査されました。この議案は北大泉児童館および北町児童館について、令和8年度から新たに民間企業による指定管理を導入、平和台児童館・学童クラブおよび東大泉児童館・学童クラブについては現指定管理事業者を継続して選定するものです。
17カ所の児童館のうち6館が指定管理に!
今回の条例改正により区内に存在する17カ所の児童館の内、6館が指定管理となります。区は令和10年度までにさらに1カ所を指定管理とする計画です。児童館の指定管理の目的の一つには経費の削減にありますが、その背景には非正規雇用を中心とした新たな官製貧困を生み出しているという問題があります。だからこそ、今回の児童館・学童クラブの指定管理の進め方(条例案)に反対しました。

2.指定管理先は?
平和台児童館・学童クラブは、モニタリング最終総合評価が「良」であることを理由に、現指定管理者(公益財団法人児童育成協会)を特定して選定すると説明されました。
東大泉も、最終総合評価が「良」であることを理由に、現指定管理者(株式会社ポピンズエデュケア)を特定して選定するものです。
北大泉児童館では公募の結果、株式会社マミーインターナショナルを、北町児童館・学童クラブは、株式会社日本保育サービスを指定管理者とするとのこと。
3.指定管理ではなぜ経費が削減されるのか?
練馬区に対して、指定管理によりいくら経費が削減されるのか、直営館と指定管理館の1日当たりの経費の報告を求めました。

- 令和5年度:直営 20.7万円/日、指定管理 15.7万円/日
- 令和6年度:直営 22.8万円/日、指定管理 15.9万円/日
この数字を見ると、令和6年度は 直営が指定管理より1日当たり6万9千円高いということになります。さらに、令和5年から令和6年にかけての経費の差を分析すると、人件費や物価が上昇する局面で、直営館では経費が2.1万円増えているのに、指定管理はわずか2千円しか増えていない。この差こそ、指定管理で働く方々の厳しい労働環境を象徴するものです。実際に区内の児童館の人材募集を見ても、ほとんどが最低賃金と同程度でした。自治体がまさに官製ワーキングプアを生み出しています。
5.指定管理の拡大ではなく、直営を基本に「人への投資」を
練馬区は適正な人件費を積算して企業に支払っているとのことですが、各職員の給与などは把握していません。こうした状況を改善するには、直営を基本としつつも、練馬区として指定管理契約を結ぶ時に職員の給与などについても規定する「公契約条例」を策定し、経験にあった適正な価格が払われるようにするとともに、指定管理の金額が安すぎて事業者が無理な「効率化」を強いられていないのかを検証すべきだと思います。ご意見などありましたらぜひお寄せください。
過去の訴えはこちらをご覧ください。
参考資料
- 08【資料5-1】議案第169・170号 指定管理者の指定について(練馬区立平和台児童館等)
- 10【資料6-1】議案第171号 指定管理者の指定について(練馬区立北大泉児童館)
- 12【資料7-1】議案第172・173号 指定管理者の指定について(練馬区立北町児童館等)
- 14【資料8-1】議案第174・175号 指定管理者の指定について(練馬区立東大泉児童館等)
