3月4日の予算委員会(補正予算)では、就学先不明・不就学の外国籍の子どもの問題に続いて、学校での日本語指導体制についても取り上げました。

就学確認は、あくまで入口にすぎません。
学校につながっても、日本語支援が不十分であれば、授業の理解も、学校生活への定着も、学習保障も難しくなります。

■ 日本語指導が必要な子どもは3年でほぼ2倍に

練馬区で日本語指導を受けた児童・生徒は、令和4年度114人(61校)から、令和5年度165人(71校)、令和6年度218人(76校)へと増えています。3年でほぼ2倍です。対象校も61校から76校へ広がっており、支援ニーズが急速に高まっていることは明らかです。

(出典:令和7年度 教育に関する事務の管理および執行の状況の点検・評価報告書 41ページ)

もはや一部の学校だけの課題ではありません。
区全体で支える体制づくりが必要な段階に来ています。

■ 春の風小でモデル校がスタート 中学校は160時間へ拡充

区は今年度、小学校1校をモデル校として日本語指導教員を配置し、中学生への日本語指導講師の派遣時間も年160時間まで拡充したと答弁しました。さらに、外国籍生徒が多く在籍する中学校11校には、授業内容をリアルタイムで複数言語に通訳できる機器も導入しています。

実際、光が丘春の風小学校では、今年度から日本語指導教室「さくらルーム」が始まり、日本語の学習や学校生活について学ぶ取組が進められています。学校ホームページでも、外国から編入した児童が最初の2日間をこの教室で過ごす運用が紹介されています。

ここは率直に前進だと評価したいと思います。
現場で支援が一歩動いたこと自体は、とても重要です。

■ それでも、「1校だけ」では追いつかない

しかし、ここで止まってはいけません。

区の総合教育会議資料でも、外国籍児童生徒の増加と地域的な偏在が顕在化し、教員が一人ひとりに十分な時間をかけることが難しくなっていることが課題として整理されています。あわせて、日本語習得を本人の意欲や努力だけに委ねるのではなく、学校・教員等が組織的に支援する仕組みを検討するとしています。

令和6年度第1回練馬区総合教育会議

(出典:令和6年度第1回練馬区総合教育会議 11ページ)

また、現在のモデル校方式では、その学校の子どもだけが対象になります。日本語指導を必要とする子どもが区内76校に広がっている中、1校だけでは、支援が届く子と届かない子の差が広がってしまいます。特に近隣の光が丘夏の雲小学校や秋の陽小学校、光が丘第三中学校や光が丘第二中学校などでも外国人児童生徒の増加は顕著です。

さらに、加配された日本語教員についても、いわゆる“通常の教員”で日本語指導の経験も知識もありません。例えば特別支援教育などについては、教員資格を得る際に学びますが、日本語教育については全く学ぶ機会はないために、知識がない状態である日突然担当することになります。教員個人の努力に委ねるのは、教員にとっても子どもにとっても望ましくありません。今後も加配教員の増加が見込まれる中で、区として加配教員に対して日本語指導に関する研修など丁寧な支援も必要です。

(出典:令和6年度第1回練馬区総合教育会議 10ページ)

■ 必要なのは「検討」ではなく、区全体の仕組みです

今回の質疑で私が強く指摘したのは、次の3点です。

  1. 日本語学級や拠点校方式をいつまでに結論づけるのかを明確にすること。
  2. 中学校での日本語指導教員の配置や日本語学級の設置を具体化すること。
  3. 加配教員個人の努力に委ねるのではなく、研修、教材、専門性ある支援を区として整えることです。

区の答弁は、日本語学級についてなお「今後の方向性を検討していく」というものでした。モデル校は始まった。しかし、日本語学級をどうするのか、拠点校をどうするのか、中学校をどう支えるのかについてはまだ結論が出ていません。

一方で、区の総合教育会議資料では、すでに「光が丘地域への日本語学級の設置」が論点として示されています。

(出典:令和6年度第1回練馬区総合教育会議 13ページ)

■ 子どもたちを「検討」のまま待たせてはいけない

子どもたちは待ってくれません。

日本語が十分に分からないまま教室に座り続けることは、学習の遅れだけでなく、自信や居場所を失うことにもつながります。特に、日常会話だけでなく、授業で使われるより難しい日本語や教科学習への支援は、今の体制では十分とは言えません。

だからこそ私は、モデル校の検証時期を明確にすること、日本語学級や拠点校方式について結論を出す時期を示すこと、中学校での支援体制を具体化すること、そして加配教員への研修や教材整備を進めることを求めました。

区がようやく一歩を踏み出したことは重要です。
しかし、子どもの数が3年でほぼ2倍になっている今、必要なのは「検討」ではありません。区全体で支える仕組みをどう作るのかという決断です。

これからも、外国にルーツのある子どもたちが、日本語が理由で学びから取り残されることのないよう、練馬区に対して引き続き改善を求めていきます。これまでの訴えはこちらをご覧ください。