友人も弁護士として関わっていた夫婦別姓訴訟の最高裁での判決が出ました。
結果として、夫婦別姓を認めない民法の規定を合憲と判断しています。ただ、3人いる女性全員を含む5人は、違憲だとする意見を述べています。
私は、夫婦別姓は当然認められるべき権利だと考えます。自らが自分の姓を選ぶのは当然の権利であり、そのことで他者の利益を侵害するものではありません。
夫婦同姓とすべきと根拠として、日本の伝統である、とか、夫婦の姓が違うと家族の絆が壊れるといった理由が上がっていますが、あまりにも根拠に乏しい。そもそも、夫婦「」同姓が制度として始まったのは明治以降。では、それ以前は、家族制度はなり立たなかったのか、あるいは同じ苗字でなければ絆は壊れてしまうのか、ということにもなります。
さらに、今回も含めて、選択的夫婦別姓を導入すべき、という話であり、同姓でありたいと思う方々はこれまで通りすごせばいいわけです。また、現在でもどちらかの姓を選べるのだから差別には当たらない、という方もいますが、実際、婚姻したカップルの99%は夫の姓を名乗っている現実があり、どちらか選ばなければいけない→文化・社会的なプレッシャーで夫の姓を選ばざるを得ない、ということで、決して自由に選択できているわけではないと思います。
この状況については、国際的にも厳しい批判が寄せられています。
国連の女性差別撤廃委員会は2003年と09年の勧告で、民法が定める夫婦同姓についても法改正するよう求めています。
また、2015年9月23日時事ドットコムの記事(http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509%2F20150923001)によると、現在、別姓も選択できる制度を採用する国が増え、同姓を強制する国は世界でもジャマイカとインドのヒンドゥー教徒くらいというのが現状です。
こうした中、日本でこのような判決がなされてしまったことに憤りを感じます。女性の活躍等、大仰な言葉が並んでいても、実態は何も変わっていないのではないでしょうか。
世界経済フォーラム(WEF)の2015年版「ジェンダー・ギャップ指数」は145か国中101位。今回の判決も現代の日本の状況を象徴している気がします。(日本経済新聞 「男女平等ランキング、日本は101位 女性活躍へ道遠く 」)