一般質問では会計年度任用職員の残業代未払いについても訴えました。
現在、職員の4割、2,800名近くがいわゆる非正規公務員として働いています。その多くは年収200万以下、来年度の雇用も保証されずに「官製ワーキングプア」と呼ばれてきました。
【1. 昨年度以前の残業代の未払いについて】
会計年度任用職員に関わる問題の一つに残業代の未払いがあります。
昨年の一般質問でも訴えた中で、練馬区は過去3年、制度導入時に遡って残業代を全て支給したと説明。
しかし、本年3月まで働いていた職員から、本来払われるべき3年分の残業のうち、半年分しか支給されていないとの訴えがありました。当時、上司から渡された文書には「令和4年9月以降の超過勤務」を申請するよう書かれ、それ以前の請求が可能なことすら知らされていませんでした。その結果、残業が発生していたにも関わらず、当該の職場で働いていた14名については、昨年9月以前の残業代が今も払われていません。区として会計年度任用職員に対する昨年度以前の残業代が適切に支払われていなかった実態をどう捉えるか、回答を求めます。また、本件を受け全ての会計年度任用職員への振り込み実績を改めて精査し、支払われていない場合は適切な対応を求めます。
【区の回答】
調査や周知が正しく行われていなかった所属については、直ちに改善した。
未支給の分については、来月支給する。
【2. 今年度の残業代未払いについて】
さらに今年度に入ってからも、辞めた職員を通じ残業代が全く払われていないとの訴えを受けました。その一つが特別支援教育相談員に関わるものです。同職場では激務が続く中、3月には職員7名の内、5名が退職。その多くは他の自治体で勤務しており、練馬区に課題があったのは明らかです。練馬区全体で昨年度、残業代が支払われた職員は合計で140名、688万円でした。しかし、今年度は7か月が経過した10月時点でわずか59名、金額は137万円と昨年度の20%弱に留まっています。
現在も会計年度任用職員のサービス残業が常態化している恐れもあるなかで、改めて全ての職場について実態を調査するとともに、残業代を適切に支払うべきです。また、いまだに残業代が払われることを知らない当事者もいます。内容が全ての職員に確実に周知されるよう改善すべきです。
抜本的な対応として、区が各課における業務量を正確に把握し、会計年度任用職員が残業を必要としないだけの人員を確保することを求めます。
【区の回答】
未支給の分については、来月支給する。
超過勤務が見込まれる業務においては、勤務条件通知書に超過勤務がある旨を記載して、各職員に交付して、改めて周知する。
【岩瀬の感想】
区が残業代の未払いを認めて、支払うことを約束したのは大きいことです。
また、残業代が支払われることを知らなかった職員もいた中で、区として勤務条件通知書を配るということも前進でした。抜本的な対応として、区が各課における業務量を正確に把握し、会計年度任用職員が残業を必要としないだけの人員を確保することや、継続雇用を行うことなども必要、今後も待遇改善を求めていきます。
会計年度任用職員に関する過去の訴えはこちらをご覧ください。