8月11日に第8回、夏の平和企画「練馬から戦争」を開催。酷暑にも関わらず60名近くの方にご参加を頂けました。
議員になってからコロナ禍を除いて毎年開催してきました。当初は地域に住む戦争体験者の方からお話を伺うことが中心でしたが、戦後79年を迎え、灼熱の中お越し頂き直接の経験を共有頂くことが年々、困難になってきました。どうやったら語り継げるか。考えあぐねた結果、今年は早稲田大学名誉教授で世界各地の戦争の真実を追求し報道し続けてきたジャーナリストの野中章弘さん、私立高校で歴史を教える岩城慶明さんをお招きしました。

野中さんの設立されたアジアプレスでは、近年のパレスチナやウクライナでの凄惨な現実をいち早く報道されていますが、野中さんご自身は、南京大虐殺等について南京の地元の大学と共同調査をされた経験も。岩城さんは、大叔父様が特攻隊として亡くなられた事実、戦地から帰還されたご親戚の方から直接聞いた壮絶な経験、そしてご自身も最愛のご家族を幼くして失くした経験等から、歴史を学ぶとは、「死者と対話すること」そして死者をおざなりにしないことだと語られました。

お二人のお話に通底していたのは、戦争を語り継ぐ、というと自国民の被害に圧倒的に偏りがちな日本において、加害の歴史にも目を向けることの大切さ。太平洋戦争で中国や朝鮮の方が何人犠牲になったかすら、多くの日本人は知らない。野中さんの歴史は物語ではなく、事実であって、そこに「左派」も「右派」も無いという言葉が印象的でした。また岩城さんが教えられる中高生のなかでも、「歴史を学ぶこと」が受験や就職の何の役に立つのか分からない=軽視される傾向にあるとのこと。過去を直視し、(中国・台湾・韓国・朝鮮の人々との民間の交流を含めて)学ぶことを通じてしか戦争は防げないというのがお二人のメッセージでした。

関東大震災での朝鮮人虐殺や南京大虐殺はなかったといった「歴史修正主義」が広がりを見せている中で、マークトウェインが「歴史は繰り返さないがしばしば韻を踏む」と言っているように、歴史を直視し、平和を創っていくことの大切さを改めて感じました。

戦争体験者が亡くなるなか、どうやって戦争を語り継いでいくか、他にも、もしアイディアがある方はご共有ください。