エクアドルでの活動を終える前にどうしてもやりたかったこと。
一つは15年前にホームステイ先としてお世話になった家族にお礼を言うこと。そしてもう一つは、僕の人生を変えてくれた女の子と再会すること。

15年前、エクアドルで留学していた頃、ホームステイ先に一人の女の子がお手伝いさんとして働いていました。

毎日、掃除をしたり、料理の手伝いをしたりしていたのですが、その子は何と当時8歳。

そんな小さな子が毎日学校が終わった後に家に来てはトイレの掃除や部屋の片付けをする姿を見て、初めて途上国の現実を知ると共に、本当に衝撃を受けました。

そして留学中、彼女が僕にとって一番の友達、そしてスペイン語の先生になりました。ほとんどスペイン語を話せなかった当時、スペイン語で、「これは眉毛、これはまつ毛、これは鼻っていうんだよ」などと毎日遊びながら教えてもらっていました。そして、帰国する際には、ホームステイ先の家族と一緒に空港まで見送りに来てくれて、最後まで泣きじゃくっていました。

その子の存在が、エクアドルでのホストファミリーと共に、僕を国際協力の仕事に向かわせた一番の原動力になっています。

そしてこの週末、片道7時間をかけて15年ぶりに彼女に会ってきました。
当時8歳だった彼女も現在は23歳、既に結婚して4歳のお子さんがいるとのこと。
ターミナルで待っていた彼女を見て、一瞬誰だか分かりませんでしたが、嬉しそうな笑顔を見た時に、23歳の女性の中に8歳の当時の女の子の姿がふっと現れた気がして急に昔に戻った気になりました。

その後、彼女の自宅で家族皆さんに歓待して頂きました。既にお母さんになっている彼女や、当時の彼女そっくりのお子さんを見て、時間の流れを改めて感じると共に、家族と幸せに暮らしていることが分かって本当に嬉しかったです。

移動が往復14時間、滞在時間は3時間という強行軍でしたが、エクアドルでの活動も終盤を迎える中で、今の自分の原点となった人達に会えて、そしてきちんとお礼を言えたということ、それが何よりの喜びでした。