安保関連法案に反対の意思表示をするため、国会前での抗議デモに妻のママ友と参加。
彼女も息子と同じ10か月の赤ちゃんを抱え、離乳食をつくったり食べ散らかしを拭いたりという毎日。それでも気が気じゃなかったので参加したとのこと。赤ちゃんも連れてデモに参加した彼女に、新聞社の方がなぜ参加したのか質問すると、「子どもが大きくなって、ママはあの時に何をしていたの?と聞かれた時に、家でテレビを見ていた、とは言いたくなかった。今までは傍観者だったけれど、子どものために、当事者となることを選んだ。」とのこと。「『戦争なんて起きない、過剰反応だ』と言うひともいる。もちろん、遠い将来、取り越し苦労だとわかれば、それに越したことはない。でも権力は間違いを犯しがち。戦争は起こってしまったら取り返しがつかない。それが起こってしまうリスクを少しでも上げるようなことは絶対避けるべき。」
そして最後に、記者の方が、安倍政権に対して何がいいたいか、問いかけたところ、しばらく考えて出てきたのが、「国民ひとりひとりにもっと愛情を持ってほしい。」との言葉だった。
つまり「国民」を数で見るのではなく、夢や愛する人をそれぞれ持っている一人一人の命(もちろんこれには外国の人々も入るだろう)への想像力を持ってほしいということ。一人の人間を産み育てるのがどれだけ大変か日々実感しているママだからこその言葉。
身に染みた。多くの人々は、もやもやしたものを抱えつつも「戦争にはならない」「自分一人が動いても何も変わらない」と思っていると聞く。この受け身・無力感を変えるためには、彼女のようにごく「フツー」の人々の感覚で、間違っていることを間違っている、と声に出すことが重要だと感じた。
安保関連法案は本日、衆議院の特別委員会で強行採決によって可決された。しかし、諦めるのはまだ早い。本当のスタートはこれから。彼女や国会前に集まった仲間たちの声を聞きながら、一人の父親として、息子のためにも、この法案が成立することのないよう、地域の中で、声を上げ続けていきたい。