昨日の文教児童青少年委員会、2014年度の練馬区立小中学校でのいじめの状況の調査結果について報告があった。

この調査、毎年実施され、6月に公開されている。しかし、今年7月に岩手県の学校でいじめによる自殺が起こったことから、再度調査結果を精査することになった。今回の再調査、実際に子どもへの聞き取りを行うのではなく、前回の調査結果を再度見直し、いじめとは認識されていなかった行為についても広くいじめと認識することにしたとのこと。

報告では、小学校でのいじめの認知件数は197件、7月の調査に比べて12件増加し、中学校では185件だったのが194件へと増加した。つまり、7月時の発表に比べて把握件数は小中学校で5%増えたことになる。

いじめの範囲を広げたことで認知件数が増えたこと自体は前進である。しかし、この調査ですべてのいじめが把握できているかについては疑問を感じる。

例えば、中学校でのいじめの発見のきっかけを見ると、教職員等による発見が最も多く、全体の84%を占めている。一方で本人からの訴えはわずか8%である。

つまり、いじめを受けていた児童の90%以上は自分からではなく、教職員や周囲が気づいて初めて認識されている。逆に言えば、周囲が気づいていないだけで、現在も多くの児童がいじめで苦しんでいる可能性も非常に高い。

いじめとは、周囲ではなく、被害者の児童がどう感じるかが重要な判断基準である。
周囲にとってはただの冗談だったり、何気ない一言であったとしても、当人にとっていじめと感じることがあれば、それだけでいじめになる。

だからこそ、委員会では、いじめの早期の把握のためにも、周囲が気づくことだけでなく、教師が日常的に児童からの相談にのるなど、学校等で、本人が相談しやすい環境を作ることを要望した。この要望に対して、区として今後検討を行うとのこと。

いじめで苦しむ児童がいなくなるよう、行政でしっかりと対応する必要がある。今後も議会での活動を通じて、いじめ問題に対してしっかりと声をあげていきたい。