先日「NPO法人ふらじゃいる」の勉強会に参加。
この勉強会、ふらじゃいるも実施している当事者研究についての理解を深めることを目的に行われた。
当事者研究とは、専門家の知識や技術よりも当事者の経験にこそ病気や苦労を解明する知恵が眠っているという考えに基づき、当事者同士で話し合いを通じて解決策を模索するというもの。だからこそ、ふらじゃいるのモットーも非常にユニークで「病気を出す居場所作り」「世界一弱くて明日にでも潰れそうなNPO」となっている。
今回の勉強会、講師には、当事者研究の発案者でもある向谷地 宣明氏と、東京大学先端科学技術研究センター 准教授の熊谷 晋一郎氏が招かれた。
これまでに地域で行われている「かふぇふらじゃいる」には何度も参加させていただくなかで、解決策だけを検討するのではなく、話し合いのプロセスの中で、参加者が一体感をもって解決に取り組む姿に感銘を受けていたが、当事者研究の歴史や内容を体系的に教えていただくのは初めて。非常に勉強になった。
最も印象に残ったのが、その場で紹介されたフィンランドの専門家の言葉「精神障がいとは人間の苦悩(苦労)が最大化したものである」というものだった。だからこそ、当事者研究では薬だけで治そうとするアプローチとは違い、周囲とのやり取りを通じて学びを深めることを可能にするということ、また、「苦悩の中にこそ生きるための何か(経験)が象徴されている」という言葉も印象的だった。
また、今回の勉強会の中では、精神障がいを持つ方も、持たない方もわけ隔てることなく、ともに地域の中で支えあいながら生活することこそ大切であるということを前提に、「地域の苦労を自分の苦労にする」ことの大切さが訴えられていた。経験に基づいた言葉、心に響くともに、少しでもこの言葉を実践できるよう、頑張らなければ、と改めて感じるいい機会だった。