今週から決算特別委員会が始まりました。

委員会では毎日、教育費や環境費などの項目(費目)ごとに政策について、区の担当者と直接質疑を行います。

決算特別委員会の大きな特徴は、練馬区の担当者と一問一答形式でのやり取りができることです。最終的に何を訴えたいかを考えながら、区が何と答えるか想定して次の質問や回答をいくつも考える。ですので、実際のやり取りよりも何倍もの準備が必要となります。

質疑の時間は会派(政党)の人数によって割り振られていて、私たち「市民の声ねりま」は10分。区の答弁を含めての時間ですので、実際に私が質問できるのは、7分程度ですが、その中で意味のあるやり取りができるように、10分のために数十時間を準備のために費やしましています。

そんな中、初日の「議会費/総務費」では、災害時のトイレ対策について訴えました。

1. 区内の各避難所でのトイレの備蓄の充実について
災害によって上下水道が機能しなくなると、排泄物の処理が滞り、感染症などが発生します。トイレが不衛生であるために不快な思いをする被災者が増え、何度も足を運びたくない、という理由で水分を控えることにもなります。それが一因となり、血栓ができて、エコノミークラス症候群を引き起こす可能性もあります。

そんな中、「練馬区地域防災計画(本編)平成26年度修正」によると、避難拠点での災害用トイレ対策として、「避難所75名あたり一基の災害用トイレの確保に努める」としています。

しかし現在は、避難所となる区内の小中学校(99カ所)にはそれぞれ、マンホールトイレ3基と携帯トイレ700枚しか備蓄されていません。現在、一つの避難拠点に700名が避難すると想定されています。その場合、75名あたり一基と考えると、上下水が止まった場合最低でもマンホールトイレ10基は必要となります。それが今、3基しかない。計画ではマンホールトイレと携帯トイレを組み合わせるとのことですが、携帯トイレの備蓄は700枚。一日ひとりあたり5回のトイレに備えることが必要とされているなかで、この数は到底足りません。そのため、過去の事例を検証したうえで、マンホールトイレや携帯トイレの必要な備蓄数の見直しを訴えました。
<区の回答>
それに対して、練馬区としては過去の災害の事例を検証したうえで、必要数を確保するとの回答でした。この回答、備蓄のカスについて、今後の見直しをも考えうるというもので肯定的だったと思います。

2. 震災時に排出される使用済みトイレ(ゴミ)の回収について
避難所での受入可能人数は約70,000人であり、それ以外、つまり数十万人は在宅での避難となります。練馬区は「地域防災計画」の中で、各家庭に対して、3日分の災害用トイレを備蓄するよう周知する、としていますが、周知を進める上で、家庭から出る使用済み携帯トイレのゴミをどのように保管し、また回収するのか、大変大きな課題です。地域の方が行政に確認したところ、収集できるかまだ決まっていないとの回答を受け、非常に困ったというご相談も聞いています。例えば4人家族で考えると、一日あたり4人×五回で20個、三日で60個もの携帯トイレのゴミがでます。震災時の使用済み携帯トイレ、回収の体制は整っているのか、その構えを備えるよう訴えました。

<区の回答>
「区としましては災害状況をふまえ、東京都や他区との調整等により収集できる車両を配備し、収集運搬を行ってまいります。」というもので、明確に「収集運搬を行う」と答弁した、つまり携帯トイレをそれがし尿を含む等の理由で収集しないということはないということであり、その意味では肯定的だと感じています。とはいえ、もちろん、どんなルールや態勢で収集するかについては、今からでも議論すべきことがあります。

3. おが屑トイレの普及について
災害時の携帯トイレの一つである「おが屑トイレ」、区民の中でも普及が進んでいます。おが屑トイレ、建築廃材を使うので、環境にやさしく、臭いも消え、また安価に手に入るものです。練馬区でも積極的に普及に取り組んでいただきたいと訴えました。

<区の回答>
「おが屑トイレは私どもも承知しているところです。アイデアとしてはとてもよいもののひとつであると考えておりまして、地域の防災訓練などでお尋ねがあったらその市民の方をご紹介しているところであります。」との回答で、非常に肯定的なものでした。

今回の質疑は震災時のトイレ対策について、大きく3項目の質疑を行ったのですが、どの訴えも区からは肯定的な回答だったと感じています。トイレは食料、水と同様に人々の生活を支える社会基盤サービスであることからも、今後もフォローアップを行い、練馬区がしっかりと備えるよう訴えていきたいと思います。