決算特別委員会、「産業経済費・環境費」では練馬区のアスベスト問題について訴えました。
アスベストの繊維はとても細く、吸引すると肺の奥にまで入り込み、長期間にわたって体内にとどまります。その後、15年から40年の潜伏期間を経た後に肺がんや中脾腫などの病気を引き起こすことがあります。

アスベストといえば、かつて社会的にも大きな問題となりましたが、最近ではあまり報道で取り上げられる機会はありません。しかし、アスベスト問題、むしろ今の方が私たちの生活により身近に迫っています。

なぜなら、アスベストは建物を解体する際に多く飛散しますが、1960年代から建築物への使用が開始された中、これらの建物の解体は2030年頃をピークに全国的に増加することが見込まれているからです。

国は2005年以降、廃棄物処理法、建築基準法などの諸法令を改正し、アスベストの飛散防止対策を強化し、2014年には「大気汚染防止法」が改正、建築物の解体時にアスベスト含の有無の事前調査を義務付ける等、飛散・ばく露防止対策を強化しました。これを受けて練馬区でも「練馬区アスベスト飛散防止条例」が改正されました。

練馬区では条例によって、一戸建てを含めて、すべての解体・改修に関わる建築物について、アスベストの有無の事前調査、および現場での結果についての標識の掲示を義務付けています。
しかし、すべての業者が実際に調査を実施し、結果を現場に掲示しているわけではありません。
先日、私の家の近くで小学校の通学路に接する場所で数年にわたって空き家だった建築物の解体が行われました。しかし、現場にアスベストの有無を示す事前調査の掲示はなく、住民の方は物件にアスベストが含まれていたのか、また、適切に対応しているのかわからず不安な思いを抱いていました。

昨年度、事前調査の掲示に不備があった、ないし全く行われていなかった、として指導されたものは一年で54件だったとしています。この数字から見ると事前調査が適切に行われないまま、解体・改修が行われた件数はさらに多いと思われます。

現在の一番の問題は、業者は解体・改修前にアスベストの有無を調べる事前調査を義務付けられていますが、行政に対しては、アスベストがあったときのみ報告することになっていることです。つまり、調査しても報告しない場合、そもそも調査すらしていない場合には、行政としては把握することはできないのです。

調査されたか判断する唯一の方法は、実際に工事現場に行って調査結果の標識の有無を確認することですが、実際には不可能です。そこで以下の改善を求めました。

1) 事業者に対して事前調査の掲示の届け出を求めること。これによって、事前調査の実施の有無も含めて行政が把握することができるようになるわけですから、多くの課題が解決されるようになります。

2) 法規制や条例について事業者に周知されているとはとても言えません。そこで、アスベスト飛散防止を実効的に行うためには、業者への周知の徹底を図ることを求めました。

3) 住民の方の協力も必要です。そのためにも、アスベストの危険性とともに、すべての解体工事で事前調査とその結果の掲示が義務付けられていることを住民の方に知っていただくための働きかけが行うべきです。

こうした訴えに対して、練馬区としても課題を認識していることを認めたうえで、まずは事業者や住民の方への条例の周知に取り組むとの回答でした。残念ながら、事前調査の届け出を求めることについては現時点では考えていないとのことでしたが、少なくとも区がアスベストの飛散に関する課題を認め、対応を取るということについては前進だったと思います。