先日の文教児童青少年委員会では、練馬区の認可保育所と区立幼稚園の保育料を改訂する議案について、質疑が行われました。

認可保育園の保育料の改正について、練馬区は、平成10年から保育料を一度も改訂しなかったこと、また、練馬区の保育所運営経費にしめる保育料収入の割合が9.5%で23区最低(保育園の運営に対して税金の投入額が多いということ、23区の平均は12.5%)であること、を理由に、保護者の応能負担、つまり、収入にあわせて保育料を見直す、という考えで改訂を行う、こう説明をしていました。

しかし、この案は、全体の70%以上の世帯で保育料が値上げとなるものでした。
値上げ幅は、高収入の世帯ほど多くなりますが、例えば、共働きで年収407万円の世帯でも、年間12,000円の上昇になります。

練馬区は、在園児の7割が属する中間所得世帯については、引き上げ額を月額3000円以下に抑えるとしていますが、年額では実質36,000円近い増額となります。
国の方針として「段階的な幼児教育の無償化」も言われており、また、練馬区は「子育てしやすい町ナンバー1」であることを宣伝してきた中で、今回の改訂案はこうした流れにも逆行するものです。

そこで委員会では、今回の実質的な値上げについて、他区がそうだから、ではなく、その合理的な理由はどこにあるのか、など改訂の考え方を問うとともに、保育料の在り方について訴えました。
練馬区の回答は、保育料は他区にあわせることを目的にしているわけではなく、社会や経済情勢を参考にして総合的に検討している、とのことでしたが、具体的な考え方や理由は示されませんでした。

また、今回の案では、8月の素案に比べて、年間所得1,121万円を超える世帯への値上げ幅の引き下げが報告されましたが、その理由は、パブリックコメントで高所得者への値上げ幅が大きすぎるという意見があったことに加えて、改訂で価格が23区で一番高くなってしまったことも理由の一つとのことでした。

そもそも、保育料が23区で最も安いこと、それは練馬区が子育て世代への支援をしっかり行ってきたということであり、変えるべきものではないと思います。国の流れとしても幼児教育の段階的無償化が進められている中で、保育料を実質的に値上げする、こうしたあり方はおかしいと思います。