決算の「保健福祉費」では練馬区が開発した健康アプリについて事業の中止を訴えました。以前、池尻さんが所属する委員会で指摘したものを、改めて取り上げたものです。決算での質疑をご報告します。(概要ですので、詳細は区の議事録をご確認ください)

<ここから>
練馬区は昨年度、「ねりまちてくてくサプリ」というスマホ向けアプリを作成しました。このアプリはスマートフォンを活用しウォーキングや健康診査の結果を記録するなど、健康づくりを行うことを目的にしています。アプリの開発に840万円、登録推進キャンペーンに約1,000万円がかけられています。https://www.city.nerima.tokyo.jp/hokenfukushi/hoken/kenkodukuri/nerimachitekuteku.html

<岩瀬の質問 そもそも区が多額の税金を使ってアプリを作る必要はあったのでしょうか?>
区が作った「ねりまちてくてくサプリ」と同じようなアプリはすでに数多く存在し、その種類も豊富です。中には無料のもの、歩くことでお金や商品などを貰えるものも存在しています。練馬区として多額の税金をかけて独自のアプリを開発、運営する必要はなかったのではないでしょうか?

<区の回答>
健康アプリはたくさんありますが、一つの機能に特化したものが多く、地域の健康に関する情報を提供するアプリは見られなかったものです。今回のアプリは健康に関する複数の機能を搭載して使いやすくしたものであり、区民の健康増進に役立つと考え作成しました。

<岩瀬の意見>
複数機能を持つ健康アプリは数多くありますし、コンテンツの多くは区からのお知らせや施設案内など、ウェブサイトで簡単に確認できるものです。「ねりまちてくてくサプリ」では今後、毎年220万円以上がシステムの保守のためにかかります。費用対効果を考えると、新たなアプリを作る必要があったとは思えません。

<岩瀬の質問 アプリの登録推進キャンペーンに1,000万円も税金をかけるのはおかしい!>
また、アプリ導入にあわせて実施した登録推進キャンペーンにも問題があります。キャンペーンではアプリを登録した方に対して、血圧計、塩分計、スポーツアームバンドスマートフォンケースを配りました。そのための予算は何と1,000万円、3,000名を対象としていました。単純に計算すると一人当たり3,000円以上の商品を配布したことになります。アプリの登録推進のためになぜこれだけ多額の税金を使わなければならなかったのでしょうか?

<区の回答>
目的はアプリ登録を進めるためです。これまでの広報や啓発事業では、なかなか働く世代には情報が届きにくい、こういった方をターゲットにしていましてアプリ配信の開始にあわせて登録を強力に推進するためにキャンペーンを行いました。

<岩瀬の主張>
キャンペーンは登録を強力に推進するため、とのことですが、キャンペーン期間中の申し込みは目標の半分のわずか1,600件でした。7月までかかって、ようやくすべての配布を終えています。そもそもアプリそのものが魅力的であれば、キャンペーンに依存する必要はなかったはずです。また、一部の区民の方がアプリに登録しただけで高額な商品を受け取ることになったのは、税の公平な支出という点でも問題があります。

<岩瀬の質問 アプリ事業は中止すべき!>
すでに同じようなアプリが数多く存在しており、保守のために今後も毎年220万円以上が掛かり続けることなどを考えると、区の健康アプリは中止すべきです。

<区の回答>
キャンペーンは一部の方だけでなく、広く区報やウェブサイトで呼びかけたので、すべての方に機会があったということで不適切だったとは考えていない。現在も登録件数は伸びています。本アプリは健康づくり増進計画に基づき働く世代を対象に位置付けた事業で、広く活用して頂くためには利用しやすく、魅力的な内容であることが必要です。スマートフォンが普及していく中で今後も実施していきます。
(ここまで)

<感想>
「ねりまちてくてくサプリ」を公の事業として開発し運営すること自体が税の公平、公正な使い方を考えるときに不適切だと思います。今後も高額の維持費がかかり続ける以上、この事業は一刻も早く中止すべきです。このアプリを含め、区の無駄遣いや不適切な支出を減らすために今後も訴えていきたいと思います