「ネウボラ」って聞いたことありますか?直訳すると「アドバイスする場所」という意味でフィンランドで行われている妊娠期から就学前までの子育て支援で、多くの自治体でも、日本版ネウボラとして取り入れています。練馬区で何ができるか学ぶため、フィンランド大使館へ視察に行きました。
フィンランドは人口550万人の小さな国ですが、幸福度ランキングでは1位、男女差ランキングでは3位、お母さんにとって優しい国、女子にとってベストな国では2位となっています。ネウボラについて学ぶためフィンランド大使館へ視察に行きました。
ネウボラの最大の特徴はネウボラおばさんと呼ばれる保健師の方が、ずーっと同じ子のことを担当して、そして家族のどんな相談にものってくれること。練馬区でも「切れ目のない支援」という言葉をよく使いますが、実際はぶつ切り。年齢や受ける検診、サービスごとに違う機関に行かなくちゃいけませんが、フィンランドではネウボラおばさんがどんな相談にも載ってくれますし、必要な場合はネウボラが担当して他の組織と協力してくれます。
ネウボラでは予防検診を大切にしていて、「なにかあってから」ではなく、「大丈夫な家庭はない」という考えで日常的に相談ができるようになっています。例えば赤ちゃんの頃は、健康診断にあわせて毎月ネウボラで一時間程度のカウンセリングを受けることになっています。長い時間をかけて信頼関係を築いて、どんな相談にも載れるようにしています。
そして、「子どもの幸せには親の幸せが必要!」という考えで、家族への支援にも力を入れていて、ネウボラでは子どもだけでなく、夫婦や家庭の相談も受けています。
「子どもを中心に考えることを徹底している」というお話が印象的でした。日本で行うには予算がないとか、人が足りない、といった否定的な話もありますが、例えば健康診断と相談をセットにするとか、同じ保健師さんによる担当制度を作るとか、練馬区でもできることはたくさんあります。フィンランドでは、虐待による死亡事件は50年で2件しか発生していないとのことでした。母親や他の家族のどんな心配ごとでも対応できるような体制を作ることが本当の意味での切れ目ない支援だと思います。