練馬区の講演会、上川多実さんのお話を聞きました。私と同世代の上川さん、被差別部落出身ということでこれまで様々な差別を経験してきたとのこと。中学時代には父親の妹が結婚差別によって音信不通になったことを知ったそうです。そうした時期に何よりも辛かったのは周りに相談しても「もう差別なんてないんじゃない?」などと誰も理解してくれなかったことだったとのことです。https://iwasetakeshi.net/2019/07/discrimination/

現在では確かに直接的な差別は減っているものの、無関心、無知、無理解という形での差別が広がっているとのこと。例えば、「知らない人が多いんだから、そのまま黙っておけば差別はなくなる」という意見もありますが、それは今差別を受けている人に「我慢しろ」といっているのと同じです。

また、現在は普段の何気ない会話や行動、職場などの日常生活の中に現れる細かい差別「マイクロアグレッション」が増えているとのこと。例えば、「その地域はガラが悪いから行っちゃだめ」「昔のことでしょ」「いやなら引っ越せば?」などが含まれます。こうした差別は決して小さいものではなく、非常に大きな傷を生むもの。

「差別は個人の問題ではなく社会全体の問題、マジョリティ側にこそ社会に変える責任がある」という上川さんの言葉、とても勉強になりました。