予算特別委員会では、障害のある方が働く就労継続支援B型について、処遇の改善を訴えました。当事者を支援する方からご相談を頂いたのですが、質問の作成にあたっては、特に会派のかとうぎ桜子さんからたくさんのご助言を頂きました。生活者ネットワークのやないさん、きみがきさん、市民福祉フォーラムのかとうぎさん、仲間の高口さんと会派を組ませて頂く中で、それぞれのご専門を活かしつつたくさんのアドバイスを頂けること、本当にありがたいです。
【ここから】
就労継続支援B型について、利用者に支払われる給料=工賃があまりに低いということを背景に平均工賃月額を向上させようとする取り組みが何度も議論されてきました。しかし、生産性を上げるために、働くことが困難な利用者が退所させられているという声や、現場が疲弊しているという訴えも寄せられてきました。就労継続支援B型で働く方々にとっての最善の利益をどう実現するかという観点から質問します。
【岩瀬の質問】
最初に、今年度の国の見直しの中で、新たな報酬体系が導入されました。その趣旨は、単に工賃を向上させることではなく、障害の重い人が孤立防止をして生きがいを得られる場としても重要ということで評価できるものです。新体系の場合、平均工賃月額が1万円未満であれば、地域協同加算がつけば、報酬が増えることになります。しかし、区内で平均工賃月額が1万円未満の事業所は17カ所ある一方で、初年度に実際に導入したのは2か所のみです。昨年の質疑の中で、練馬区として新たな報酬体系について周知を図り、相談に乗るとしていますが、実際にこれまで何件の相談があったのかお答えください。また、練馬区は地域協同加算の適用事例の収集を進めると答弁していましたが、他自治体も含め事例の収集を進めるとともに、制度についてさらに周知をすべきです。あわせてお答えください。
【練馬区の回答】
区は新しい報酬体系について、国の通知や報酬改定に伴うQ&Aを事業者に送付している。また、4月に向けて、案内を行う準備を進めており、引き続き個別の相談に対応する。また、都の動画による事業説明会、区のホームページでの周知、適用事例の紹介なども行い、周知を図る。
【岩瀬の訴え】
区としてぜひ積極的に周知を進めて頂きたい。新体系では地域協同加算に加え、ピアサポート実施加算も存在しています。加算を受けるためには都の研修を受ける必要がありますが、今年度、都は一度も対象となる研修を実施しませんでした。制度の趣旨にも反し、就労継続支援B型の収入にも直結するものです。区として都に強く申し入れを行うよう求めます。
【岩瀬の思い】
これまで、報酬を単に平均工賃月額によってのみ評価してきた中で、生産ラインに乗らない利用者が退所させられているという問題なども発生していました。また、生産性を上げるときに必要となるのは支援者の努力であることが多く、現場が疲弊すれば当然ながら質の高い支援を利用者に提供させることは難しくなります。本当に自立を目指すのであれば、当事者が「どうして仕事をするのか」「どんな仕事がしたいか」「仕事をして得たお金で人生をどう生きたいか」など、自分で考え、自己決定していけるよう、情報や選択肢を体験を通してわかりやすく提示し、失敗と改善をくり返しながら、自分で選択していく機会を提供していく場が必要です。今後も対応を求めていきます!