子ども家庭費の審議では、コロナ禍にあって保育園における子どもの最善の利益をどう守るか、そして、全力を尽くす保育士の労働環境をいかに改善するか、という観点で質問しました。

【ここから】
3月の上旬までは連日、区内保育施設の約1割にあたる20園以上が感染により休園、連日保育士の方から悲痛な訴えが届いていました。最初に、現場での「保育士不足」について質問します。職員の感染や濃厚接触、学校での学級閉鎖等が相次ぐ中、現場の職員配置は非常に厳しい状況でした。多くの園で毎日態勢を組み替えて何とか運営しており、現場の声をそのまま伝えると「今日一日をどう無事に乗り越えるか」という状態にあります。中には突発的な職員の休みによって配置基準すら満たせなくなった園もあると聞いています。

【岩瀬の質問】
まず、こうした現場の状況について練馬区はどう捉えているのか、区の考えを質問します。

【区の回答】
保育園は社会機能を維持するためには、絶対に欠かすことのできない施設だという信念で、ぶれずに保育園の開園を貫いてきた。複数の私立園から、仮定の話として、職員体制が難しくなった時に園をどうすればいいか、問い合わせを受けてきた。まずは法人内で現場の体制を整えるようにと答えている。

【岩瀬の意見】
現場からは、保育課に連絡しても、「非常時」であることを理由に、合同保育でも人が足りなくてもいいから開園してくれと言われた、そんな声も聞きました。休みの予定だった職員が対応することや他園からの応援も日常的に行われています。職員の入れ替わりが続く中で、子どもの心が不安定になっているとも聞いています。現場の認識とは大きなずれがあるなかで、区としてもしっかりと現場の思いにも寄り添って頂くよう求めます。

【岩瀬の質問】
保育士のコロナ対策についても質問します。
練馬区では、保育課として3月までに1万個の抗原検査キットを購入、これまでに約2千個を活用したとのこと。しかし、保育関係者からは練馬区が抗原キットを有していることすら知らなかったとの声が届いています。実際、体調を崩しても、多くの職員は自ら抗原キットを探して、購入し検査しているのが実情です。区では各園に対して、なぜ抗原検査キットがあるということを広く周知しないのか、お答えください。

【回答】
園内で陽性が確認されれば、行動履歴等を調査し、必要に応じて対応している。また、東京都は2月から定期的検査も実施している。

【岩瀬の訴え】
確かに東京都は希望する全園の職員に対し毎週、抗原検査キットを送る旨の通知を行いましたが、希望したにもかかわらず未だに届いていない園もいくつも存在します。練馬区は園内で陽性が確認されたら検査を検討するとのことですが、保育士からはより丁寧な対応
「防ぎようのない子どもたちの鼻水と咳とくしゃみに毎日晒されているのに、自分に症状がなければ検査も受けられない」という現場の声に区は真摯に向き合うべきです。
保育園ではこの2年、非常事態が続いています。職員たちはこの間ずっと、休みの日も外出を自粛したりする中で、精神的に追い込まれ辞めてしまった方々もいます。それでも、子どものいる場所が殺伐としたところにならないように、笑顔でその居場所を守っています。だからこそ、区として改めて、丁寧な対応を求めます。