決算審議では、非正規公務員(会計年度任用職員)の方々の待遇改善も改めて訴えました。会計年度任用職員の方々は官製ワーキングプアとも呼ばれ、多くの方の年収は200万円未満。非常に厳しい環境で働くことを余儀無くされています。合計で2800人、区で働く職員の約4割を占め、その9割は女性であるということ、ジェンダーの問題でもあります。今回は特に、雇止めに繋がる任用期限の撤廃、フルタイム任用の実現を求めて質疑を行いました。【1.岩瀬の訴え 雇止めにも繋がる任用期限の撤廃を!】
練馬区では連続の雇用を4年までとしている中で、任用期限まで残り2年半、多くの職員が不安を感じています。会計年度任用職員制度が導入されたことで人事評価制度を導入、そこから毎年の選考も行われ、1年ごとの任用がされています。人事評価は再度の任用を行う際の「客観的な能力実証」であり、5年で公募を行う必要はありません。荒川区などでは上限がありません。雇止めにも繋がる4年の任用期限を撤廃すべきです!
【練馬区の回答】
会計年度任用職員は成績主義、平等取り扱いの原則から、公募によらない任用を無期限に行うことは適切ではないと考えます。廃止する考えは全くありません。
【岩瀬の想い】
成績主義とのことですが、職員は毎年人事評価を受けて契約更新をされています。制限を持たない自治体もある中で練馬区として改善すべきです。
【2.岩瀬の訴え みんないなくなってしまったら、練馬区は大丈夫なの?】
2020年4月に会計年度が導入された際、非常勤として5年以上働いていた方が全体の6割に達していました。多くの職員は練馬区を愛しているからこそ、これからも働くことを求めています。しかし、働き続けるためには別の自治体にも応募しなければならない。任期を入れたがために、経験がある方を流出させたり辞めさせたりするきっかけにもなります。もし多くの職員が流出したとして、業務の内容を理解して、継続させていくことができるのでしょうか?
【区の回答】
職に必要な知識、経験を決めて、そのうえで実務を担える適任者を採用しています。公募で改めて任用することも可能ですので、仰るような懸念はないと考えています。
【岩瀬の想い】
区の回答は実態とはかけ離れています。図書館をはじめ、多くの職場ではこれまで練馬区で独自に進化させてきたやり方があり、一般的な知識や経験だけでは対応できません。だからこそ、今の職員を大切にする必要があります。
【3.岩瀬の訴え フルタイム任用の導入を!】
かつては非常勤職員に法律の制限があった中で、勤務日数を週4日におさえていました。しかし、会計年度任用職員が導入された中で、法律上もフルタイムの採用が可能になりました。総務省の本年1月の通知においても「パートタイム会計年度任用職員の勤務時間については、具体的な業務内容や時間外勤務の有無など勤務の実態を把握した上で、必要に応じ、フルタイムでの任用を含め、見直しの検討を行う必要があること。」と示しています。区としてフルタイム化に向けて検討すべきです!
【区の回答】
確かに制度は変わりましたが、仕事の内容は変わっていないので、フルタイム任用の必要性はありません。導入は考えていません。
【★まとめ】
区は、会計年度任用職員の方を機械や道具としか考えていないのでしょうか。一般質問では、昨年度、会計年度任用職員のうち、残業代が払われたのはわずか6名しかおらず、いわゆるサービス残業が横行していることも指摘しました。そもそも、会計年度任用職員は、業務繁忙期や職員に欠員が生じたときに、「職員の補助」として1会計年度内を任期として任用されることを法律の本旨としています。本来は、正規職員として採用されるべきですし、今後も待遇の改善を訴えていきます!