決算では小中学校の入学前に、障害を持った子ども、保護者を対象に実施されている就学相談について、専用の場所がないため中学校のセミナーハウスを間借りしている状況などを指摘し、改善を求めました。
【はじめに】
日本も締結した 障害者権利条約を巡り、今年9月、国連が初めて改善勧告を出しました。勧告では、日本の特別支援教育について通常教育に加われない障害児がおり、分けられた状態が長く続いていると懸念を表明。
練馬区においても保護者や本人の意思を最大限尊重したうえで、通常級を前提とした合理的配慮を行う必要があります。その中で小学校や中学校の入学前に行われる就学相談においては、保護者や本人に合理的配慮がなされ、意思が最大限尊重されるような環境を整える必要があります。
【岩瀬の訴え:子ども達のためにも専用の場所の確保を!】
練馬区では小学校や中学校への入学前の就学相談を行うための専用の場所が存在ないため、7割は大泉中学校のセミナーハウス、2割は開進第二中のセミナーハウス、1割が区の会議室を間借りして実施されています。そのうち、大泉中のセミナーハウスでは2階の和室で児童生徒の面談が行われていますが、エレベーターすらない中で、装具の方など階段を上るのにも非常に苦慮しています。おむつ替えのスペースや子ども用のトイレもなく、校門からセミナーハウスに着くまでには非常に急な勾配も存在します。合理的配慮の観点から専門の場所を用意すべきです!
【区の回答】
今年度から車いすの方優先の相談日を設けるなど、相談者の利便性向上に努めています。会場内の和室をおむつ替えの場所として利用するなど、相談者の状況に応じた柔軟な対応に努めています。現時点で、専用の場所を確保する考えはありません。
【岩瀬の訴え:就学相談を受けるのに4か月も待たされる現状、職員の増員を!】
保護者からは9月に就学相談を申し込んでも、実際に受けられるのは2月との声が届いています。区は4月の入学には間に合わせているとのことですが、結果が出るのは入学直前、保護者や本人が準備する時間はあまりに少ない状況です。就学相談を担う相談員の数は3年以上にわたってほとんど増員されていない一方、相談を希望する方は3年で倍近くに増加しています。一人一人に丁寧に寄り添うためにもまずは職員の増加、そして労働内容に見合った職員の待遇の改善が不可欠です。区の見解を求めます。
【区の回答】
受付順であるため、時期によってはお待ちいただくこともあります。そうした場合、キャンセルが出た場合にはお待ちいただいている方にお声がけするなど対応しています。引き続き事務の効率化に努めます。
【岩瀬の思い】
会場について、区は工夫するとしていますが、そもそもセミナーハウスは就学相談の時間だけ間借りしているため、対応には限界があります。実際、装具の方は座布団を重ねてそのうえで座らなければいけない状況です。人員体制についても、事務の効率化は本質的な解決ではありません。一番大切なことは、就学相談を通じて、どのような障害があったとしても、他の子どもと一緒に過ごせる環境を確認し、作り上げていくことです。区として障害者やその家族、関係者の方に丁寧に誠意をもって対応するよう引き続き訴えます。