10月26日から27日まで、所属する都市整備委員会の視察。コロナの影響で行政視察は3年振りになります。今日は福岡県久留米市の環境部庁舎を視察。こちらは、国内初の既存公共建築物での「ZEB」事例となります。
ZEBとはゼロエミッションビルディングの略で、建物の省エネと再生可能エネルギーによる創エネにより、年間のエネルギー消費を実質ゼロにする取組です。既存建築物は新築に比べて、困難といわれていましたが既存技術の組み合わせによって実現したということに大きな意義があり、昨年度のエネルギー庁長官賞など多くの賞を受賞しています。
そもそも久留米市でZEB化が進んだ経緯について、地球温暖化への対策とあわせて、市内でも公共施設の老朽化が進む中で、施設回収経費と電力代などのランニングコストの削減にも貢献することが期待されたとのこと。今回の建物も1990年に竣工され、老朽化が進んでいたとのこと。
本庁舎のZEB化を行うにあたって、最大の特徴は「先端の技術ではなく、汎用の技術で実現」したということ。職員の方曰く「見どころのないのが見どころとのこと」でした。実際には、省エネについては窓のガラス交換、断熱材の吹き付け、空調の交換など。創エネについても、太陽光発電の設置で賄ったとのこと。結果として、国からの補助もあり久留米市の支出は7500万円、その結果、毎年のコスト削減額は290万円に達するとのことでした。
それ以外にも図書館や子どもセンターなどでも行っており、多くのの既存施設でZEB化は可能であるということでした。
他方で、問題点としては国の補助が今後減らされる中で、コストが上がってしまうということなどがあげられました。練馬区に比べて敷地面積が広く、太陽光発電がしやすいといった違いもありますが、練馬区の公共施設でもコストをかけなくてもZEB化は十分に可能であるということ、とても勉強になりました。第2回定例会でも区議会として推進に向けて国へ意見書を出した中で、区としても積極的に行うよう訴えていきます。