「私は最低賃金+40円・手取り9万8千円で働く非正規図書館員です。図書館の今を知り、未来のために署名をいただけませんか?」2022年8月に始まった電子署名に8万人以上の方が賛同し文科省も実態調査を検討するとしています。
練馬区には12館、1分室の図書館が存在。2009年に南田中図書館を区内で初めて指定管理に、現在は練馬と光が丘を除く全館が指定管理となっています。(https://www.city.nerima.tokyo.jp/…/shisetsuichiran.html

6月22日の文教児童青少年委員会、稲荷山図書館と南大泉図書館の指定管理について報告がありました。稲荷山図書館では年間で約1億、南大泉図書館では年間1億2千万円で契約し、人件費はそれぞれ7割程度とのこと。しかし求人サイトを見ると同館ではパートの方は最低賃金の時給1,072円から、フルタイムの契約社員でも月給195,000円から(手取りで15万円程度)で募集しています。

社会的にも大きな問題になっている図書館で働く方々の待遇について、区の認識を問うとともに改善を求めたところ、区は指定管理を含め全職員の待遇を把握しており、適正だと認識しているとのこと。そのうえで待遇の改善を求める考えはないとのことでした。

練馬区は、図書館で働く方の思いを知っているのでしょうか?
「司書の仕事は好きだけど、この給料では一人で生きていけない」「図書館への情熱や愛情があっても、生活は苦しい。どうか、安心して働かせてほしい」そんな声があふれています。(https://www.asahi.com/articles/ASQCR5SJZQCKULEI006.html

練馬区は指定管理を通じて区民の雇用促進をすると言っていて、稲荷山では52%、南大泉では68.8%が区民雇用です。しかし、その方々がどのような雇用環境で、どんな思いで働いているかを把握し、改善するのは練馬区の義務です。指定管理者制度の中で働く人の雇用問題も自治体の責任です。

ネット署名を始めた方の「今がどん底。動かなければこれ以上ひどくなるかもしれません。私たちを助けてください。そして一緒に図書館の、子どもたちの未来を守っていきましょう。」という声、そしてそれに賛同した8万人の思いに練馬区は責任をもって答えるべきです。

図書館の自由に関する宣言の中で、「国民の知る自由を守り、ひろげていく責任を果たす」と謳われています。図書館で働く方の雇用の安定や条件の向上は全ての私たちの自由を守ることにも繋がること、これからも改善を訴えます。