6月23日の文教児童青少年委員会、谷原保育園の閉園計画に伴う新規園への入園募集についての報告がありました。谷原保育園については、2021年の11月に急遽閉園を発表。保護者や地域の方、1万を超える反対の署名などを無視して閉園を強行しようとしています。これまでの経緯はこちら

本日の説明で、谷原保育園の在園児について、2歳から5歳のお子さんについて新規園(しろくま保育園)への転園を7月10日から8月18日まで先行受け付けを実施。新設園以外を希望する場合、保育士数に1点を加点するとのこと。説明会は7月2日㈰、7月3区㈪、7月7日㈮に地域集会所で開催予定。説明は個別対応で実施するとしています。また、8月以降であっても10月の1次申し込みが始まるまでは申し込みを受け付けるとのこと。

1.練馬区は保護者の声に応えたのか?

練馬区は今回の対応について、保護者の声に最大限答えたと説明。しかし、保護者が何より求めているのは谷原保育園を存続すること、そのことには一切応えようとしていません。
12000筆近くもの反対の陳情に対しても、昨年5月の委員会で区は「区の計画の目的を十分に伝えきれていなかった」としており、あたかも署名した区民が間違えているかのような答弁をしています。

そして、保護者がずっと求めている集団説明会の実施についても、今回も拒否、個別に説明するとしています。区は転園に関する説明なので、個別に丁寧に対応するとしていますが、なぜ説明を聞いてもらう側である区が保護者の意思を無視して集団説明会の開催を拒否するのでしょうか。また、1歳児については例え谷原保育園に残りたいといっても新規園に移動することになるとのこと。まったく保護者の思いに応えていません。

2.閉園は民営化なのか?

練馬区は谷原保育園の閉園と新規園の開設は別であり、民営化ではないとしていますが、板橋区では保育園の民営化の手法の一つ「代替地再整備方式」としてガイドラインにも掲載。既存園の近隣に保育所整備用地を確保し、事業者が整備する、まさに同じこと。行政計画にも掲載せずにこうした事を繰り返すのですか?とても誠実な姿とはいえません。

3.子どもの意見表明権は?

2022年6月に子ども基本法が成立し、年齢や発達の程度に応じて、自己に直接関係するすべての事項に関して意見を表明する機会を持つことや、意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されることが定められました。今回の閉園や転園は何よりも子どもに大きな影響があるので、まず練馬区が子どもに説明して、子どもの意見を聞くべきと訴えたところ、練馬区は「未就学児に対する直接の説明方法を持ち合わせていない」と答弁。しかし、区が法律を遵守しないということ自体あってはならないこと。また、もしそれができないなら、せめて保護者が目指す集団説明を行うべきです。

4.他園を希望する場合は?

新規園以外を希望する際には加点が1点だけ。しかし、本人の意思に反して転園を求められるのに、なぜ希望する園を保障されることも認められないのでしょうか?

5.練馬区は子どもや保護者のことを考えているのか?

練馬区の答弁は全く保護者の思いに応えるものではありません。区は昨年、谷原保育園の閉園の議論の際に、1円たりとも無駄にしない、としたように、結局は保護者や子どものことよりも財政的な面で判断しているようにしか見えません。

言葉だけでななく、真摯に保護者や子どもの思いに応えるよう、引き続き訴えていきます。